サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

カエンネ-茅野市

河口湖から峠を越え山を登って蓼科まで。このお店に伺う為に遥々やって来ました。2022年版ゴエミヨでは3トックに選ばれています。


三井の森というゴルフリゾートの一角にあります。外観はリゾート地にある様な別荘の様な外観。中に入るとカウンター越しに大きな薪台、右手には薪ストーブがあり、非常にゆとりのある空間。パチパチと薪の爆ぜる音が心地良い。開放的でシックで、もしかしたらこれまでで1番好きな内装かも知れません。

 

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本日のコース。地元の食材がずらーっと並びます。


ドリンクはワインのペアリングを。7種で6800円ですが一杯60mlとの事でしたので、追加料金で多めにしてもらいました。この辺りは融通が多少効く様です。

 

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まずはシャンパーニュピノノワールシャルドネ。見ての通りたっぷり入れて頂きました。

 

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生ハム。下にはパスタをあげたものが潜んでいます。この生ハムは美味しいですねえ。塩気が控えめでじわーっと旨味が広がります。私はあまり生ハムを好んで食べないのですが、これは相当に美味しい。

 

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左はイワナの塩漬けに発酵トマトの寒天。右はたらの芽とコシアブラを卵で焼いてパルメザンチーズをかけたもの。左は酸味が良いですね。味わいとしては和食的。右は山菜の苦味とチーズの香りが良く合います。どちらもシャンパーニュにぴったんこ。

 

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どどん。アスパラガス一本丸ごとです。もはやジューシーというより液体を包んだだけと言うぐらい水分の多いアスパラガス。素材そのものですが圧倒的な説得力があります。自家製のマヨネーズも良い感じ。

 

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オーストリアリースリング。ビオです。アスパラにはリースリングが良く合う。

 

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パンも自家製。ぼそっとしていますがソースには合います。なおお代わりももらえます。

 

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蕎麦に豆腐のソース、上にはキャビア。これが本当に字面通りなんですが、美味しいんですよね。蕎麦の香り、豆腐の暖かくミルキーさ、そこにキャビアが少しアクセント。面白い。

 

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フリウリの土着とシャルドネのオレンジワイン。シェリーみたいな香りがします。結構もったりで豆腐と良く合う。豆腐とオレンジワインが合うと言う新たな発見がありました。

 

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飯田のホワイトアスパラガスとスズキ。これは蕗の薹のソースが秀逸。スズキの淡白さを上手く苦味で補完。ホワイトアスパラガスとのバランスも良い。計算しつくされた組み合わせです。

 

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またしてもオレンジワイン。今度は蕗の薹の苦味とオレンジワインの癖が合う。

 

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シルクうなぎにチーズのソース。何か分かりませんが煮詰めたソースが甘く、濃厚なチーズと相まってさっぱりとした鰻がさながら蒲焼きの様な味わいに。なんかさっきからすごい組み合わせだけどちゃんと美味しい。

 

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オレンジ三連投。それなりに色々なお店でワインのペアリングを頼んできましたが、オレンジワイン三連投は初めてかも知れません。しかし鰻にオレンジワインが良く合う。オレンジワインと言ってもそれぞれ癖が違うので非常に楽しめました。

 

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稚鮎と山うどのショートパスタ。稚鮎の苦味が鮮烈。割にボリュームもあります。美味しいなあ。春だなあ。

 

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まさかのオレンジワイン四連投。こんなの見たこと無い。しかし苦味が多いので合うんですよね。意欲的なだけでなくちゃんと考えられています。

 

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メインは薪で焼いたラム。これぞシンプルイズベスト。牛や豚と違うので柔らかさはそれほどありませんが、臭みはなくジューシー。ここまでジューシーなラムも中々無いですが、これが薪焼きの真骨頂なのでしょう。付け合わせの筍もシンプルながら美味しい。

 

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日本のピノ。蓼科の森を思わせるようなキノコの香り。

 

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最後はリゾット。地元のお米と地元で採れたモリーユ茸です。モリーユ茸って美味しいなあ。結構お腹いっぱいでしたがペロリといけてしまいました。

 

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デザートは牛乳とカカオのプリン。割としっかりカカオ感。この後お茶菓子とエスプレッソがあったけどシェフと話してて写真撮るのを失念してしまいました。


以上コース14300円にペアリング8800円で23100円でした。

 

 

非常に印象的なお店でした。シンプルなのですが食材の組み合わせに意外性があって、割としっかりボリュームはありますが全く食べ疲れがしませんでした。イタリアンがベースにはありますがどこか和食的だったり、でも創作感はそれ程無くあくまで素材を大切にしてるんだというのが良くわかる料理でした。


シェフと最後話す時間があったのですが、この辺で取れる高原野菜は繊細だから塩をなるべく使わないと。オリーブオイルも使わないし、ニンニクを一切使ってない。お店をやり始めた当初より塩の量は半分以下になったそうです。それでも全体を通して輪郭がボヤける様な事はなく、むしろ印象的な料理の数々でかなり時間が経った今でも写真を見て味を思い返す事が出来ます。


そんな食材に寄り添っていった結果が、あの意欲的とも言えるペアリングになったのでしょう。塩や調味料をなるべく使わないのも、オレンジワインが続くのも、あるべき姿に向かっていったら自然とそうなっただけ。これがテロワールという必然なのかも知れません。


地方のイタリアンの理想型。素材だけでなく、空間作りも含めて、都会のレストランでは出来ないものがあります。ここでしか食べれないもの、ここでしか感じられないもの。それを求めて旅をする私にとって理想のレストラン。御馳走様でした。また必ず伺います。

 

 

カエンネ
0266-75-1129
長野県茅野市豊平字東嶽10222-25
https://tabelog.com/nagano/A2004/A200403/20023769/