河口湖と言えば一昔前の避暑地やキャンプ地で有名ですが、謂わばちょっとしたリゾート地にあるこちらにお邪魔しました。ゴエミヨにも2021,2022と2年連続で選ばれています。
レストランは街の中心地からはちょっと離れているでしょうか。内装はカウンターとテーブル席が3-4つほど。木が多く温かみのある雰囲気です。
まずはハートランド。650円とゴエミヨに載る様な店にしては安い。泡がかなり残念な感じですが、量はたっぷりなのでギリ許せます。
アミューズから。自家栽培の新玉ねぎのスープです。まじで何も入れてないの?ってぐらい甘い。玉ねぎの嫌な香りも無く美味しい。素敵な滑り出しです。
ムツのフリットに南部茶の葉とかさつまいもとか。シンプルに揚げただけですが、アミューズとしてはアリ。
グラスワインはおまかせで。ルミエールのオレンジワインの泡。ワインはグラスは数種類、日本ワインのみで地元のものだけと言った感じ。地元とは言え流石にポーペイサージュやドメーヌミエイケノは出ませんでした。欲しがり過ぎか。
ムツを焼いたものをアサリや太刀魚で出した出汁に。これは完全に和食ですね。単純に出汁が美味しい。
共栄堂の甲州とマスカットのブレンド。ここのワインってビオビオしてて好みが分かれます。私はどっちかというとそんなに好きじゃないかも。
山菜2種に猪のラルド。山菜にじゃがいものソースやラルドでコッテリ感を出していてバランスの良い一皿。山菜嬉しいな。
自家製のパン。油脂を使ってないらしく軽やかです。
カベルネ。若くて酸が主体的だけど悪くはありません。
パテドアンクルート。鹿やら猪やらに鹿のサラミも。美味しい、だけに量が欲しいところ。右下のカシスのソースが秀逸ですね。酸味とほのかな甘味がいい。
メルロー。色合いの通り今ひとつと言った所。日本ワイン縛りは中々難しい。
オニオングラタンスープ。素直に美味しい。だけにこれも量が欲しい。
鹿肉のソーセージ。大根は白樺の樹液で似たそうです。これはソーセージが滅法美味しいですね。ジビエらしさと塩加減、スパイスの感じがとても良い。
口直し。ビールと小量のバターをシャーベット状にしたもの。その通り甘くて苦くて、さっぱりだけどもったり。これ面白い。
メインは鹿肉のパイ包み。真っ当なジビエ料理であり少し筋っぽいけど、味わいはクリアー。蕗味噌を忍ばせてあって味わいにアクセントがあります。先程のソーセージもそうですがここのシェフはジビエの扱いが上手いですね。
締めのご飯は筍と猪。美味しい。筍と猪って合いますね。だけに量が欲しいんだよなあ。
最後は蕗の薹のアイスクリームに味噌のチップス。へー蕗味噌を表現してるんだ。甘酒の米も下にあり、面白い。こういうの好きです。
お茶菓子。ハチミツ、白樺の樹液を煮詰めたもの、チョコレートムース、カヌレ。お茶は野草で御馳走様でした。
以上で17000円弱。なるほどこれなら悪くない。
ジビエを中心に地元の食材を上手く組み合わせてるなあという印象でした。極力油分を使わないとシェフが仰っていましたが、その分物足りなくなりそうな所を食材でバランスを取っており面白い試みでした。
少量多皿な所は良いのですが折角美味しいのに一皿が少ないと思ってしまった所が玉に瑕。しかしこれは個人の好みの問題であり、私みたいに馬鹿の大食いでなければ間違いなく満足するでしょう。
コンセプチュアルでありながら、味が置いてけぼりになってないのは好感が持てます。それに値段も安い。コースにビール一杯とワインをグラスで5杯でこの値段ですからね。コンセプチュアルと言えばレヴォを思い出しますが、レヴォに一回行くよりここに3回行った方が良い。東京からも電車バス、高速でも近いですし。
この手のレストランは私の好みではないのですが、それでも満足出来たという事は他の人ならもっと満足出来るはず。シャルキュリトリーが美味しかったので次はジビエ全盛期に伺いたいと思います。ご馳走様でした。
トヨシマ
0555-75-0850
山梨県南都留郡富士河口湖町船津3681-2
https://tabelog.com/yamanashi/A1903/A190303/19010148/