年明けからビストロの気分が続いているので静岡でもこちらに。以前は二軒目として訪れましたが、今回はがっつり頂こうと一軒目にお邪魔しました。
週末の18時に予約して伺いましたが店内は満席。食べログ上は口コミも少なく点数も低いですが良い店というのはみんな知ってるものです。
とりあえずビール。クラフトビールがいくつかありその中からIPAをオーダーしました。
ビールを飲みながらメニューを吟味。食べたいものをリストアップして、最初は白から、メインとその前は赤のイメージ、でも最初はシャンパーニュも飲みたいから、なんて事を考えます。この瞬間がとても好き。アラカルトはこういう楽しさがあるから良いですね。
という事でメニューを考えている間にビールを飲み干したのでシャンパーニュを。少し炭酸が抜けてしまってますが酸がしっかりして香りが良い。何よりこれ1000円程。ちゃんとしたシャンパーニュがこの値段で飲めるのは嬉しい限り。
トップバッターはワカサギのブラックフリット。わお、まじで真っ黒やん。イカ墨の入った衣で揚げてるそうです。イカ墨の旨味とワカサギの苦味のバランスが良く、何よりデカい。シャンパーニュにもぴったりです。
お次は牡蠣のソテー。柿が乗っていて、カリフラワーと下には白菜のソテーも。もっとバターでコテコテでも良かったですが、カリフラワーが少しスパイシーでアクセントとして素晴らしい。
サンタバーバラのシャルドネ。オーボンクリマは札幌で飲んでからずっと好きでよく買っています。適度な樽感がバターによく合う。
本鮪のスペシャリテというのがあったので興味本位で頼んでみるとこんなのが来ました。
本鮪や揚げた玄米の上に鰹出汁をかけます。このキャパ、このビストロでこんなん出すんかすげえな。鮪と炒った米の香りが鰹出汁の香りで引き立ちます。味わいとしては想像の域を出ませんが、一つの食事として楽しめました。
ガルガーネガ。フランスワインだけじゃ無くてイタリアワインもあります。ちなみにソムリエの方も居るので分からなければ素直にお任せしましょう。この後もそうですが王道な合わせ方なので安心感があります。
「豚、豚、豚の春巻き」という豚推しメニューがあったので思わず頼んでみました。それがこちら。パテドカンパーニュを春巻きで包んで揚げたものです。おもろいなあ。パテドカンパーニュは基本的に冷菜ですが、こちらは温かく、春巻きのパリパリとした食感があって新鮮。内臓物らしさもありつつ、マスタードと山椒の葉などの味変も楽しめるので飽きずに食べられる。色々と気付きのある料理でした。
シュペートプルグンダー。ちゃんとピノしてて美味しい。高くは無いですがちゃんと美味しいワインを選んでるのがよく分かります。
メイン。ででん。藤枝で取れた猪肉のローストです。200gは優にあります。これはめたんこ美味しいですねえ。脂が美味しく、身は豚肉に近い味わいですが、身質がしっかりしてるところに猪らしさを感じます。付け合わせのアスパラやらにんじんやらポテトもバターでしっかり揚げ焼き。ビストロど真ん中のメインで思わず頬が緩みます。
イタリアのプリミティーボなどなど。プリミティーボらしい重厚感にフレンチオークの香り。これが1000円しないんだもんなあ。ソムリエの努力に拍手を送りたい。
本当はこの後クロックムッシュかリゾットを食べたかったのですが、見ての通りすごいボリュームだったのでここで終了。ビールにワインをグラスで計6杯で15000円弱。素晴らしい費用対効果です。感覚的には3割ぐらい安い。
以前は二軒目という事もあり簡単に飲んで食べただけでしたが、やっぱりこのお店は本物でした。活気があってメニューも豊富、グラスワインも8種類ほどありますし何より安い。加えてサービスもよく目が行き届いてますし、ボリュームもたっぷり。ビストロに必要なものが全て揃っています。
先日伺ったマキュイジーヌほどがっつり骨太のビストロで無いにしろ、バターの使い方とか食材の大きさにビストロ感をすごく感じます。仲間でワイワイ飲むのも、デートで楽しくご飯を食べるのも何でもいけます。1人だと少し一皿が大きいですが、つまみ系メニューもあるのでそれをつまんでグラスでワインを飲む事も出来ます。
以前も思ったのですがカジュアルな雰囲気なのにソムリエがいたり、ビストロど真ん中な料理やややこしい料理が出てきたり、いい意味でギャップがあるんですよね。
東京にいってもトップクラスのビストロ。間違いなくマキュイジーヌと並ぶクラス。本当に家の近くに欲しい。また静岡に来た時は訪れたいと思います。次こそはコンテチーズのリゾット頼むんだから。
ATO
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