静岡アゲイン。昨年の5月に訪問したこちらに再訪です。今回は冬のサスエの魚を食べに来ました。
まずはビール。ちょっと泡が多すぎますが入れ方は綺麗なので良しとしましょう。
トップバッターは鰯のつみれと蕪と京菜。出汁の香りに負けないイワシの香りが印象的。蕪は液状化一歩手前まで煮込まれています。
新筍とワカメ。訪れたのは年明け早々でしたがもう筍出るんですね。一口食べるとびっくり。むちゃんこ甘い。茹でただけとのことですが糖度だけで言えば果物レベルです。素朴なだけに素材の良さが光りました。
日本酒へ。地元お酒が多いので旅行客も楽しめます。
蛤の出汁で炊いた米。美味しいのですが驚きという点では前2つと比べると想像の範囲内でしょうか。
ででん、赤座海老の登場です。解禁したばかりとのこと。これだけでテンションぶち上げです。
その赤座海老はシンプルに軽く焼いたものを。ちゅーちゅー吸ったり、身は一口で食べたり。問答無用ですね。海老のアレルギーが無くて良かったと親に感謝したくなりました。
鮪節と鰹節と昆布で取った1番出汁。木山のアレですね。美味しいのですがプレゼンテーションは木山の方がすごかったかな。キャパの違いもあるので仕方ないと言えばそうですが。
私は効率良く実利的な行動を好みますが、趣味は極めて情緒的です。何が言いたいかと言うとこういう正月っぽい日本酒が好きということです。人は雰囲気の奴隷である。
連子鯛のお吸い物。先程の出汁も美味しかったですが、この出汁は鯛の味が凄まじいですねえ。鯛に関しては駿河湾と天草の二代巨頭の実力が抜けてます。
南マグロとクロムツ。クロムツは美味しいですが南マグロは普通かなあ。年末もそうでしたが、本鮪が高騰してたんでしょうね。
甘鯛の松笠焼き。先程の連子鯛同様、鯛の味が濃い。甘鯛らしい香りも良く見た目も美しく完璧です。
富士山の麓のほうれん草。ここでほうれん草?と疑問に思ったのですが、なにこれ超甘いんだけど。変な例えですがとうもろこしみたいです。どうやら急に冷えた事で急に甘くなったそう。苦味も少なくとにかく甘い。筍と良いほうれん草と良い寒さがもたらす自然の不思議が印象的でした。
目の前で炒った胡麻を混ぜて。めちゃくちゃシンプルなんだけどとにかく香りの良さが絶品。こういうシンプルなものを作らせたら素晴らしいですねこのお店は。
鰆と藤枝の椎茸。鰆は低温油で少し火を通して。成生っぽい調理ですね。香りがすごく良いのと、塩の使い方がいいのか味がしっかり出ています。また椎茸が無茶苦茶美味しい。キノコが美味しいって嬉しい。
海老芋を揚げたもの。正に海老芋。ここで揚げ物は良い変化です。
漬物。この漬物が地味にめちゃ美味い。これだけで酒飲めます。
〆のご飯はまず少量の白米の上に先程の鰹節を乗せて。美味くないわけがありません。
味噌汁。ほっと一息。
さてこの日は3種のご飯があるとのことで、私は当然に全て大盛りをオーダー。なんならもう一回最初から始めてもいけそう。
唐墨。塩気と米の甘味の調和。米が多かったので少し量のバランスが、と思っていたらもう一枚唐墨くれた。これならもう一杯日本酒頼んどけばよかったかな。
卵かけご飯。卵の味が濃いのとやはり胡麻の香りが良いですね。
最後は天城鳥の雑炊。塩はほんの少しで鳥の出汁がよく出てるのがわかります。余裕で平らげた私を見て大将が若干引いてました。そんなかな。
わらび餅で御馳走様でした。成生行きたいなあ。どうやらサスエの前田さんやこちらの大将ですらもはや予約が取れないそうです。営業してるんかなほんとに。
という事でビール1杯に日本酒半合を3杯で2万円でした。尊い費用対効果です。
前回同様とにかくシンプルな料理の数々でした。調理というより素材の味をダイレクトに味わうことが出来るので故に時折想像を超えるのが印象的。魚は勿論ですが野菜の美味しさが心に残りました。
大将はまだお若いのですが色々と勉強してるんだろうなというのがこの短い間の中でも感じ取る事が出来ました。他店の良い所はどんどん真似て欲しいですし、そうすればもっともっと良くなりそう。とは言え技術に溺れず、この素材をとにかく活かす方向性をどんどん突き詰めていって欲しい。
美味しい魚が必ず食べれるという安心感、そこに加えてアクセスの良さやコスパの良さ。これからも何度も伺いたいと思います。御馳走様でした。
日本料理FUJI
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静岡県静岡市葵区栄町3-6
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