今年3回目の訪問です。春は天ぷら、夏の鰻と来て今回は河豚です。
年末に近いこの日、大寒波が来ていて朝方は名古屋でも雪がちらつくほど。私は名古屋から浜松に走って行きましたが、道中ずっと気温計は0度〜2度の間と極寒。寒すぎて疲れているのに走ってないとむしろ辛いという地獄の様な環境の中で150kmも走って来たのはここでたらふく食べる為です。そう、気合が違います。
まずはビール。ああ、染みる。生きて浜松に到着出来て良かった。大袈裟だと思う人に0度の中150km自転車漕いでみろと言いたい。誰もやらんか。
トップバッターは海老芋にキクラゲとむかご。その上に唐墨です。乗っけから唐墨で日本酒が飲みたくなる。いつも通りの静かなスタートです。
いつものお出汁を使わない椀物。今回は鯛とみぞれ。うおー美味しい。鯛からこんなに出汁が出るのか。大根にも味が滲みています。
日本酒はいつも通りおまかせで。喜久酔。さあ飲むぞ。
さて河豚の登場。まずはてっさです。河豚は勿論ながらポン酢の爽やかな酸味が心に残ります。また煮凝りは味が濃い。酒が進むくん。
次の日本酒はなんと十四代。さらっと出てくんのかい。香りがダンチ。がぶ飲みしたい。
トラフグの白子。これと十四代という至福よ。私はこの瞬間、日本で1番幸せだった自信があります。
十四代が速攻で無くなったので次を頼むと而今。好きだよ、而今。
大根炊いたものに辛子味噌で箸休め。
さて、虎河豚の唐揚げです。むちゃくちゃ大きいものがドンドンと二つも。可食部も多く、店内皆手で持ってむしゃぶりついてます。この前の店とは全然違う。
而今でも良いのですが唐揚げにはやっぱりビールでしょ。という事でオーダー。間違いない。2022年はそろそろCMオファー来ないかな。
さてそろそろメイン。てっちりかと思いきや猪でした。ちょっとずっこけ感はありますが、この猪は美味しいですねえ。豚肉に近いのですが、それよりも良い意味でケモノ感があり肉の味も脂の味も濃い。また出汁を吸った野菜も秀逸。椎茸とか最高。
実は密かに大将があちらの方は良く食べるからと少し私のお椀を大目にしてくれたのを見逃しませんでした。やっぱり心が通じてる。
而今の品評会用の大吟醸が入ったからと。同じ而今でも全然違いますね。しかし2013年の日本シリーズを彷彿とさせる連投です。
猪のお出汁でセリ。ああ、美味しい。このセリなら3束ぐらい食べれそう。
白菜も。一玉ぐらい余裕。
新政。十四代、而今と来てからのこの流れ、槙原斎藤桑田かよ。ミーハーな私にぴったりです。
セリの根っこ。私はこっちの方が好き。
〆はうどん。出汁を吸ったうどんの美味しいこと。
という事で4杯食べました。幸せ。
甘味は白餡にシャインマスカット。モナカの香り、白餡の上品な甘さに、シャインマスカットの少しの酸味と甘味がよく合う。和菓子なのですが香りと味の重ね方がフレンチみたいでデザートワインが飲みたくなりました。
以上、ビール小瓶2本に日本酒五勺を4杯で3万也。余は満足じゃ。
河豚と聞いていたので少し拍子抜け感はありましたが、そもそも河豚をすごく好きと言う訳でもないのでかえって色々なものが頂けたのが良かったですね。特に猪の美味しさが心に残りました。猪の出汁はあんなに野菜すらも美味しくしてしまうのかと気付きがありました。
幾分質素な料理でしたがそれだけに素材の良さがよくわかりました。ここの素材は他よりも良いのか、それとも引き出し方が上手いのか。多分両方なのでしょう。大将のインスタとか見る限りワインもDRCがあったりとかなり揃えは良さそう。どんな人脈なんだろうか。
前二回が圧倒的だったので今回は少しトーンダウンしましたが、やはり食べさせ方も上手いし、〆を思いっきり食べさせてくれる所も大好き。また次もペコペコにお腹を空かせて伺います。御馳走様でした。
勢麟
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