恵比寿駅近くのこちらにお邪魔しました。イノベーティブ系でワインが美味しいと評判のお店です。
基本的には紹介制のお店ですが、たまにpocket conciergeで予約枠が開くのでそちらから予約。お店があるビルに着いて電話するとエレベーターが勝手にお店のあるフロアに上がっていきます。このシステムが分からず何回も電話することになってしまいました。紹介制らしくかなり難解な入店の方法です。
店内はカウンターのみ。シックな内装であり隠れ家感が満載です。
ワインはお任せで。いきなりブレちゃってあれですがソーヴィニヨンブラン。うま。
枝豆とつぶ貝とカリカリ梅。塩気とわさびの風味が良い。良い意味で上品な居酒屋みたいな料理です。
続いては鮪に唐墨を。唐墨の塩気の裏から鉄分がぐわーっと押し寄せて来ます。
これにはボルドー。なるほど鉄分とメルローはよく合う。メモメモ。
コンソメなんですがピノ・ノワールが入ってるそうです。ものすごく深みのある味わい。
こちらにはニュイサンジョルジュ。これは合わないわけがないですね。
フォアグラに黒トリュフ。見た目通り濃厚。外さない組み合わせです。
酸のしっかりしたシャンパーニュ。これも王道の組み合わせです。
オマール海老。オマールの濃さと野菜のさっぱり感。
ヴィオニエ。安心感のあるペアリングになって来ました。
春巻き。中には秋刀魚が入ってソースは秋刀魚の肝。この字面通りの単刀直入な美味しさ。肝の苦味って良いよね。
シラー。スパイシーで肝に良く会います。
グルヌイユ。カエルです。ソースがバジルとバターで王道のフレンチ。連れはカエルが嫌いなので私が全部頂きました。想像しなきゃ良いのに。私はサヴァカ以来グルヌイユが大好きです。
シャサーニュモンラッシェ。このソースにモンラッシェで美味くない訳がありません。
毛蟹?のリゾット。蟹感が良い意味で控えめで良かった。
ボルドーの白。蜜みたい。ウシマル以来私はボルドーの白が好きです。
生牡蠣。ここで生牡蠣とは意表を突かれました。
アルザスのリースリングというまたしても王道の組み合わせ。ミネラル感が牡蠣とばっちし。
メインは牛肉。しっとりと柔らかい。
ボルドー第二級。後から見返すとほんまええワインですね。
抹茶のアイスクリームで御馳走様でした。
ここでお会計すると60000円弱。ポケットコンシェルジュから予約したので、お会計には料理代は含まれていないはずであり、それを聞くとドリンク代のみですと。とりあえず支払ったのですが、やはり納得が行かず後から確認するとやはりドリンク代ですとのこと。コースは2万程なので、つまり料理とドリンク合わせて1人5万円したことになります。
この時は酔っていて正常な判断能力も無かったのですが、一晩経って改めて見返すと確かに他ではまず出ない様な良いワインが多い。このクラスのワインをグラスでバンバン出す店は殆ど無いでしょう。そう言う意味では妥当とも言えなく無いのかも知れません。しかしこれだけの値段のワインを一見の客に対して出すのはいかがなものか。コース料金2万でペアリングが3万ですからね。
一方で確かにこちらも確認していなかったし、ペアリングを頼んだのはこちらなのでお店側からすれば非は無いのでしょう。従ってこれは価値観の問題です。私の価値観からすればこれだけの値段がするペアリングであれば事前に一言だけ断っておくのが筋と考えます。多分お店の方はそう考えないだけなのでしょう。私のワイン知識が少ないだけとも捉える事も出来るかも知れません。
後から冷静になって考えるとだから紹介制なんだなと。このお店のコンセプトを理解した人しか基本的に来ないので、問題無いんですよね。そこにたまたま私の様な招かざる客が来てしまった。1人5万かけるなら私はロブションに行きたい。そしてきっとそういう客はお店からするとお呼びでない。悲しい不一致です。
と言う事で、料理の印象は完全にぶっ飛んでしまいました。連れも同様に大変憤慨しており、何故か私が怒りを宥めるという帰り道に。ていうか俺が全部払ったんだけどな。払った挙句何故私はお店側の味方をしているのか分からない。しかしこの金額は確実に懐を痛めました。そしてこの額で懐が痛む様な社畜が行くようなお店じゃ無かったんです。またせっせと働くしかありません。暫くサイゼリヤと松屋だらけの夕食になりそうです。
料理もワインも間違い無く美味しい。でもお店を知った人でないとこういうリスクがある。これから行かれる一見の方でこのレビューを読まれた方は、私のこの経験を踏み台に楽しい食事をされる事を願っています。
アリゴトゥール
東京都渋谷区恵比寿1-11-9 グランベル恵比寿Ⅲ8F
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13233463/