約1ヶ月ぶりの北海道のスタートはこちらから。千歳の繁華街から少し離れたところにあります。ミシュラン二つ星。
お店に入ると時間までウェイティングスペースで待つ形。伺ったのは10月末でしたが外は既に冬の気配が濃かったのでストーブで温められています。北海道に来たんだなと感慨に浸る。
店内はカウンターが6席ほど。かなりゆとりのある作りであり、この辺も北海道に来たんだなと思わせてくれます。先日行った高柿の鮨は鰻の寝床の様でしたが、どちらにも趣が感じられます。
まずは生ビール。770円と良心的。今宵も食べまくる準備を整えます。
先付け的にしらすに黄身醤油。しらすの仄かな香りと苦味が食欲を刺激。ビールをグイッと。
松川鰈は4点セットで。ああ美味しい。昆布〆だと思いますが、そもそもの旨味が強いのがよく分かります。うう、日本酒がもう飲みたい。
という事で日本酒へ。女将さんがお酒に詳しいようでしたのでお任せで。我々が道外から来たと言うと道内のお酒を中心にしてくれました。北海道の日本酒と言えば定番の上川大雪。鮨おくのでも頂いたやつです。
鱈の白子。白子はもちろんのこと出汁が美味しい。日本酒をグイッと。
鮑と肝のソース。柔らかく、そして鮑の味が濃い。残った肝ソースにはシャリを入れ、日本酒をグイッと。あかん、ペース早くなってまう。
早くも写真がブレ出す。流石にまだ大丈夫ですがこの先心配になるペース。
こちらは鮭の白子の燻製という珍味です。白子ですがあっさりしていて臭みが全くありません。しかしこれも見事な酒のアテである。
ホッキ貝の紐と貝柱を焼いたもの。さっきから酒好きのツボを押しまくるチョイスですね。私の好きな睦月の様です。
鯵の海苔巻き。三心と同じようなやつです。これは間違いない。さっきからやたら色んな寿司屋思い出してますが酒が進み過ぎてもうすぐ死ぬのかも知れません。
とは酒は言え止まらない。大丈夫、外に出れば寒くて素面になるから、と言い聞かせて飲む。
てさ握りへ。小樽のシャコです。写真はブレちゃってますが味が濃い。シャコって割と刺々しい味わいなのですがまろやかで美味かった。
シャコの出汁で取った茶碗蒸し。ここで一息。極上の香りに身を預けます。
スルメイカ。おお、これは濃厚ですねえ。やはりイカは冬である。
鰤。脂がすごい。ちょっと凄すぎるかも。好みの問題ですが私はもう少しさっぱりした方が好き。
ガリは頂けるのですがそれ以外に漬物もあります。これが美味しい。箸休めではありますが、酒は相変わらず進む。
春子鯛。脂が乗っていて旨味も強い。鯛が美味しい店を信用してる私もにっこり。
筋子。筋子にしろイクラにしろそんなに好まなかったのですが何故か最近イクラが好きです。
道外の酒も。隣のお客さんを見る限り道外のお酒も結構ある様です。
赤身。鉄分をしっかり感じるタイプで好み。赤身はこうでなくちゃ。
中トロは柵漬けで。赤身に比べると酸味が強く美味い。もう少し味が強くなるとなお良かった。
毛蟹。これだけで酒が飲める。冬だなあ。
ニシン。これはむちゃんこ美味しいですねえ。青魚の香りに抜群の脂。上に乗ったニンニク?も良い。ちなみに連れもこの日1番美味しかったと言っていました。
ホッキ貝。甘味が口いっぱいにいつまでも残ります。幸せ。
秋刀魚。皮目を炙ってあって香りも良く、脂のノリも良い。1か月前より格段に脂が乗って良くなりました。
此の期に及んでもまだ飲む私達。フィナーレまで手を緩めません。
穴子。ふわふわタイプでツメも濃過ぎず私好み。もう終わりかあ。
ハスカップとハーブの手巻き。え、と思ったのですがハスカップの酸味がシャリと会っていてこれが存外に美味しい。この発想は無かったな。
お吸い物は魚の出汁を取ったもの。魚の香りにまだ腹が鳴りそうになります。
玉子。正統的で甘め控えめ。
さて、これで一通りですが追加も出来るとのことでまだ出ていないメニューを聞いてオーダー。
まず連れは追加で牡丹海老。いつも海老食ってんなこいつは。満足そうに微笑んでました。
私は熟成させた鰆。美味しいですねえ。熟成させた旨味が舌にねっとりと乗っかってきます。
最後の最後で雲丹を撮り忘れてしまいました。浜中の赤雲丹です。これは間違いない。
最後は苺大福で御馳走様でした。
以上、2人でビール2杯に日本酒5合で37000円ほど。おお、素晴らしいコスパです。これだけ威勢よく飲んでこれなので飲まない人なら1人15000円程度でしょう。
序盤は酒に合うつまみの連続で、握りに入ると穏やかな赤酢に季節のネタと非常に楽しむ事が出来ました。少量多皿というか握り一つ一つも大きくなく、バラエティに富んでいるのですが、地元のネタが多いところに北海道の豊かさを感じます。
接客は流石二つ星ですね。大将は基本的には黙々と仕事をしつつも柔和で居心地が良く、また女将さんの活躍が光りました。寿司屋でこの女将さんのサービスレベルは素晴らしいですね。女将さんあっての星付きと感じました。
都心や札幌中心地のお店の様な洗練されたモダンな感じはありませんが、空間同様、大将や女将さんの出す空気感がゆったりとしていて、そこが心に残りました。旅行客はもちろん地元の常連客も多いのでしょう。
いつも新千歳空港から真っ直ぐに札幌に行くのではなくてたまには千歳に寄ってみるのもありかな。御馳走様でした。また来ます。
北の華 はやし
0123-22-2990
北海道千歳市幸町1-1
https://tabelog.com/hokkaido/A0107/A010701/1049376/