サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

Installation Table ENSO L'asymetrie du calme-金沢

金沢の繁華街、片町の外れの方にあるこちらにお邪魔しました。2021年北陸版ミシュランガイドでも二つ星を獲得しています。


洋裁学校だった建物をリノベした店内はオープンキッチンにテーブルが4席ほど。個室も1部屋ある様でした。シェフ1人に、若いお弟子さん達が3人、またサービスの男性1人という布陣です。

 

f:id:leglutton:20210805220840j:image


まずはビール。グラスのシャンパーニュは無く、スパークリングワインだったのでビールにしました。暑い日はビールをがぶ飲みに限る。

 

f:id:leglutton:20210805221011j:image


このイラストはメニューに使われる食材とのこと。分かるものからこれなんやろと思うものまで。この手のイノベーティブにありがちな変化球です。

 

f:id:leglutton:20210805221033j:image


アミューズ3品の1品目は加賀蓮根と海老のすり身に大葉をまぶして素揚げしたもの。ちょっと写真はボケちゃってますが、口に入れる瞬間の大葉の香りが抜群。そこに海老の甘い香り、レンコンの触感、雲丹のとろみが重なってきます。のっけから美味いやないかい。

 

f:id:leglutton:20210805221049j:image


アミューズ2品目はじゃがいもを細く切って素揚げしたものにごぼうとサマートリュフ。先程同様口に入れる瞬間にサマートリュフの香りが爆発。ごぼうとじゃがいもの異なったサクサク感が秀逸。サクサク2連続良いですね。

 

f:id:leglutton:20210805221107j:image


アミューズ3品目はソテーしたイチヂクに生ハム、ソースはアーモンドミルクです。生ハムとイチヂクは良くありますが、アーモンドミルクを合わせてるのが変化球ですがきっちりコーナーに決まって来ます。あれ、この店好きかも。

 

f:id:leglutton:20210805221120j:image


グラスワインは赤白3種ずつとの事で、まずはピノグリを。奥出雲ワイナリーのものです。ピノグリですがスッキリとした酸味で何にでも合いやすいワインでした。良い意味で日本ワインぽくない。

 

f:id:leglutton:20210805221132j:image


ポレンタの中にとうもろこしのムースとなんやかんやが入ってます。この時期とうもろこしはよく頂きますが、こう言う食べさせ方は珍しい。オリーブと人参が香りと触感のアクセントになっていて美味しかった。

 

f:id:leglutton:20210805221146j:image


岩牡蠣。前日に続いて私得な展開。右にあるのは牡蠣のマカロンと言われてギョッとしたのですが、思いの外香りが強過ぎず酒の飲めるマカロンです。岩牡蠣は火入れが抜群であり超クリーミー。キウイのソースというアイディアも面白かった。


写真を失念しましたがプィイフュメ。夏らしいスッキリした味わい。ロワール好き。

 

f:id:leglutton:20210805221227j:image


鰻に焼いたお米を。これはスープのフランがまずもって美味しいですね。鰻自体はまあ鰻でしたが、焼いた米の香りが食欲を沸き立たせます。イラストの時はてっきりピスタチオかと思った。

 

f:id:leglutton:20210805221253j:image


鰯やなんかんやをエゴマの葉で包んで。お皿の端っこ。エゴマの葉を韓国料理以外で食べるのは初めてです。しかしこれが素晴らしい。エゴマの香りと鰯の脂がちょうど良く鰯の脂や香りの強さを上手く中和させです。こういう香りの付け方が好きなんだな、ここのシェフは。

 

f:id:leglutton:20210805221305j:image


次は分かりにくいですが、麺なんです。ビーツやらカレー粉やら入っています。もはやフレンチでもなんでも無いですが単純に美味しい。ビーツの甘さとカレー粉って合いますね。どんぶり一杯食べれそうです。

 

f:id:leglutton:20210805221320j:image


シャルドネ。これは美味しいですねえ。樽がしっかりしていて正にブルゴーニュブルゴーニュ大好き。

 

f:id:leglutton:20210805221337j:image


アスパラガスの下に毛蟹のムースやパイ生地が敷いてあります。このアイディアがすごいなあ。そして美味しい。アスパラガスって割とソースで味をつけていきますが、毛蟹のモッタリ感と素晴らしく合っていました。

 

f:id:leglutton:20210805221351j:image


お魚はクロムツ。イラストの時はどう見てもカエルに見えたので、静岡以来のグルヌイユかなと思いましたが違いました。

クロムツ自体は夏でもあり、まあ普通に美味しいかなと言う感じですが、ソースが美味しい。また左のソースが木の芽のオイルであり、ここでまた印象が変わりました。こういう変化付けるの凄く上手いなあ。

 

f:id:leglutton:20210805221413j:image


パン。ピタパンです。普通のピタパンでした。ソースが美味しいのでそれぐらいで良いのでしょう。

 

f:id:leglutton:20210805221429j:image


メインの前にピノを頼んだら、シャサーニュモンラッシエの赤。何その変化球。でも好き。白の畑の赤とかボルドーの白とかそういうの好きなんです。

 

f:id:leglutton:20210805221443j:image


メインはイノシシ。これはもうむちゃんこ美味しいですね。イノシシ自体に臭みがなく、冷めても脂が美味しいのが印象的。ソースも真っ当であり、正統派にもいつでもなれるぞ、というシェフの矜持を感じました。

 

f:id:leglutton:20210805221457j:image


黒豆のパン。美味しい。この手のパンが出るのも珍しい。

 

f:id:leglutton:20210805221513j:image


デザートはさくらんぼと紫蘇のムースに、桃のアイスクリーム。夏だなあ。さくらんぼと紫蘇が爽やかでした。

 

f:id:leglutton:20210805221528j:image
f:id:leglutton:20210805221531j:image


最後はコーヒーとお茶菓子で御馳走様でした。

 

 


香り、触感、味のグラデーションを意識した料理であり、私の好みにぴったり。この手のモダンフレンチというかイノベーティブ系は割と物足りない事が多く、また素材を活かそうとし過ぎて却って味の輪郭がボヤける事が多いのですが、全くそんな事はありませんでした。


素材がベースにありながらのフレンチとは言え、前日のラトリエドゥノトとはまたベクトルの違う料理でした。ラトリエドゥノトの方がより正統フレンチに近く、こちらはもっと創作気味で自由度が高い。どちらも甲乙付け難いとても印象的なお料理でした。そしてどちらも根本的に美味しいというのが大きい。


これだけ食べてお会計は25000円弱。素晴らしい以外の何物でも無いですね。一品一品は小さいですが、品数も多く、テンポも良く不満な点が何一つありません。東京ならボリューム2/3、価格は1.5倍でしょう。


北陸のフレンチはすごい。どれも素材がベースにありながら、そこに囚われ過ぎず、自分のやりたい事を上手く表現されていました。何度も言いますがとにかく根本的に美味しいというのが何より良い。レヴォみたいに挑戦し過ぎて美味しさが置いてけぼりになってないですからね。その上安いと来てる。もはやレヴォとは北陸のフレンチ、いや、日本の地産地消において必要悪なのではないか。


やりたい事をやってこれだけ美味しいと言うのは最大限の賞賛に値します。東京で訳分からんこねくり回したフレンチを食べるなんて人生の無駄。さっさと新幹線か飛行機を予約して金沢に飛びましょう。

 

 

Installation Table ENSO L'asymetrie du calme
050-5457-1772
石川県金沢市池田町4番丁33
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17009914/