サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

成生-新静岡

成生です。移転後初。いつもそうなのですが予約が取れてから店に行くまでずーっとワクワクします。小学生の頃の遠足とか中学生の頃の修学旅行前みたいな気分です。

 

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静岡駅からは徒歩30分以上かかります。浅間神社という由緒正しき神社のお隣。500坪以上の敷地の中にはお庭もあるとのこと。ここまで風格のある立地も中々ありません。


入店するとフレンチの様にウェイティングスペースで時間まで待機。前の成生はかなりコンパクトな作りでしたが、ゆとりがあると違いますね。私の狭い名古屋の部屋より大きいスペースです。

 

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まずはビール。今日は初めてのランチ。平日です。仕事は?とか聞かないで下さい。

 

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とうもろこしの芯を煮て摺り流しにしたもの。ほんの少しの塩のみの味付けとは信じられない程とうもろこしが濃い。先制パンチ。

 

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ハタ、相変わらず旨味が濃い。何故いつもここのお刺身はどこの寿司屋や和食で食べるより白身が美味しいのだろう。

 

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鳥貝。臭みは無いのに味は濃い。とにかく甘味が強く、食べ応えも抜群。三心鳥貝が至高と思っていましたが超えてしまいました。

 

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1番ピッチャー、白メバル。何と軽やかでそして魚の味が濃いのか。ふわふわで、でも食べ応えもあって、熱々を頬張る楽しさもあります。正に大谷翔平の様な特大ホームランです。

 

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オクラ。いつも出るメニューですが、やはり夏野菜だからか、いつもより特大。種もしっかりしていてオクラなのに強い満足感があります。

 

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出ました、キス。やっぱり美味しいよお。ここのキスって何故にこんなに香りが良いのか。どこか郷愁すら感じます。やっぱりここのキスは別格だ。

 

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鯵。秋冬よりサイズが少し小さめ。味わいもあっさりで鉄分も少し弱かったかな。秋冬の鯵を知ってるとどうしても少し物足りなく感じてしまいました。贅沢な悩みです。

 

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丸茄子。うげーむちゃんこ美味しい。とにかく茄子のお汁と香りが抜群。そしてやはり軽い。

 

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豆鯵も。やはり夏らしいさっぱりした味わい。しっかし写真見返すとまた食べたくなって、まるで拷問です。

 

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これ、人参なんですよ。土が付いたままの人参を濡れ布巾で泥を落として揚げたもの。冬の人参はとにかくフルーツの様に甘くトロッとしていましたが、夏の人参は香りがとにかく良い。甘さも程良く、同じ人参でも季節と揚げ方でこんなに違うのかと驚きました。

 

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お口直しのサラダ。鰹の燻製も入っています。どれも野菜の味が濃く、鰹も酸味の余韻が素晴らしい。レモンなんか皮ごと行けちゃいますが酸味が少なく甘くてフレッシュ。こういうのを口直しって言うんだよな。

 

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中盤の油入れ替えのタイミングでカウンターの窓が開かれると見事な借景。500年前からあるお庭を眺めながら頂く天ぷらとは何と贅沢なのか。梅雨の、しかもお昼時だったからか余計に緑が鮮やかで美しかったのもラッキーです。平日の昼間からこんな美味しい料理をこんな素晴らしい空間で頂けるなんて、まるで資産家にでもなった気分。現実はゴリゴリの社畜で夜は納豆で飢えを凌いでる事をうっかり忘れそう。

 

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さて再スタート。まずはクロムツ。熱々の身を頬張る嬉しさ。身の味がやはり濃い。

 

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じゃがいも。皮がパリパリで極上のポテチみたい。身はホクホクでとにかく香りが良いですねえ。じゃがいもの1番美味しい食べ方です。

 

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とうもろこしの身を揚げて、その上から生のとうもろこしを。このとうもろこしがとにかく甘くてフルーツの様でありながら嫌な甘さでは無いのでいくらでも食べれます。手で食べるのですが、客は皆無心でお皿のとうもろこしをかき集めて食べてました。本当に美味しいと見た目とか気にしなくなる。

 

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玉葱。これも皮がパリパリ、中はじゅわじゅわ。冬はその甘さを全面に出す様な揚げ方でしたが、今は爽やかさすら感じます。奥が深い。

 

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太刀魚。この日一本しか取れなかったそうです。やっぱりこの太刀魚は極上ですね。身の香りが良く、その厚い身をガブリ。幸せ。

 

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さて母屋の隣にある薪小屋で炊いたご飯です。薪小屋って消防法ですげえ厳しいとの事。このお釜の下の部分が黒くなっていますが元は上と同じ銀色で、全部煤で黒いのだそう。弟子が毎日頑張ってるから日に日に美味しくなるんですよと大将が褒めてました。ここの大将、良く弟子に教えながら調理していたりするのですが、その言葉の端々に愛を感じます。

 

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季節外れで鰆が取れたからと。脂のノリはやはり寒い時期に比べれば弱いですが香りは正に鰆。恐らく普通に焼き物にしたらパサパサになっちゃいそうですが、天ぷらだから水分がしっかり残っています。これこそが天ぷらの醍醐味。

 

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海うなぎ。ちょっと小さかったらしいですが、その身の弾力の強さはすごい。小粒でもしっかりと美味しく頂きました。

 

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さて〆は先程の薪で炊いたご飯です。まずは大将が小さく握って出してくれます。天ぷらと合わせるために和食屋の様な甘い米ではなく控えめなものを選んでるそうです。でも米の一つ一つがこれでもかと立っているのが特徴的。これを最後お持たせにまでしてくれるんですよ。ドリームゴーズオン。

 

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漬物。茗荷が夏だなあ。赤出汁も付いてきます。

 

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天丼、天茶、天バラが選べますが私は天丼をチョイス。しっかりとしたボリューム、しっかりとした味付け、それを支える米。終わってしまう悲しみとこれが食べられる幸せ。成生って量も多いんだよなと思い出しました。お腹いっぱい。

 

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お茶で一息。このお茶と借景だけでも千円ぐらい取れそう。

 

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牛乳のアイスに発酵茶を混ぜたもの。これまでは葛餅だったと思いますが、夏だからでしょうか。スッキリとさわやかな甘さ。バケツで食べれます。

 

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最後はカテキンのしっかり効いたお茶で御馳走様でした。

 


圧巻。成生ってすごいなって改めて思いました。何が凄いってお客さんみんな食間は楽しそうに話してるのに、食べてる間はピタッと話が止まり黙々と食べてるんです。この日結構賑やかな女性2人組がいてまあよう喋るわと思っていたのですが、食べてる間はぴたっと喋らなくなる。明石家さんまでも黙らせられるんではなかろうか、ここの天ぷらは。


個人的には冬の圧倒的な魚の脂のノリと根菜の甘さの方が好みは好みですが、夏の方が軽やかでまた違った楽しみ方が出来ました。同じ食材で同じ調理なのに全く食べさせ方が違い、味も全く違う。天ぷらという料理の奥深さをまたもまざまざと感じました。


やっぱり私はこのお店が1番好きだなあ。このお店の為だけに静岡まで来る意味がある。今回たまたま予約が取れ、それに合わせて数日静岡に居ることしましたが、その結果また素晴らしいお店と出会う事が出来ました。このお店を基点として、静岡の素晴らしいお店を幾つも知る事が出来、私にとって静岡は大好きな場所の一つになりつつあります。成生があったからなんですよね。だからやっぱり特別。


今回は前回から半年かかりました。次はいつ行けるのか。悲しい気持ちもありますが、逆に次いつ行けるか分からない事が楽しくなってくるような、そんなマゾっ気すら出てきてしまいそうなほど魅力的なお店。また行ける日を夢見て。御馳走様でした。

 

 

成生
054-295-7791
静岡県静岡市葵区丸山町12-2
https://tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22037788/