サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

勢麟-浜松

私は暇な時に食べログGoogleマップを駆使して美味しそうな店を探すのが趣味なのですが、こちらはそんな日々の日課で探したお店です。浜松駅から歩いて15分ぐらいの繁華街を通り抜けた所にあります。


元々チェケラしていたのですが紹介制のお店だった様でぼっち飯の私は行きたくても行けなかったのですが、この5月よりOMAKASEでの予約が出来るようになりました。嬉しい反面、私はOMAKASEに対して穿った見方を持ってるので幾分斜に構えての来店です。


店内はゆとりのあるカウンターが6席ほど。大将にお若いお弟子さんが2人いらっしゃいました。2人ともまだ20代前半(なんなら1人は10代?)なのですが、キビキビとしていて良い雰囲気。大将優しそうなのに結構仕事には厳しいんだろうな。


まずはビール。お水が自動的に出てくるのですが、たっかい寿司屋で一本800円ぐらいで出てくる富士山の水だったのでビビりました。これお会計に入るんかな。

 

f:id:leglutton:20210612072131j:image


トップバッターは鮑。下には鮑と一緒に炊いたお米とカットされた鮑があります。え、なにこれむっちゃ美味しいんだけど。鮑の味が濃く、カットされた鮑がゴロゴロと入っています。写真じゃ分かりにくいですが先付けにしては結構ボリュームがあるのも嬉しい。鮑半身ぐらい使ってるんちゃうかな。

 

f:id:leglutton:20210612072152j:image
f:id:leglutton:20210612072149j:image


この日は一年に一ヶ月程限定の天ぷらのコースの日だった様で、その天ぷらの食材のプレゼンテーション。山菜はわざわざ山の方まで行って取って来たそうです。魚は地元のもの。海老でか。

 

f:id:leglutton:20210612072207j:image


浜名湖のエビに山菜と茄子の煮物。どこにでもある煮物の様ですが、特に茄子が美味しい。素揚げした上に海老の出汁で炊いてるのか味が染み込んで絶品。


日本酒へ移行。写真撮り忘れましたが、臥龍鳳雛という地酒の純米大吟醸。綺麗で香りが豊潤なタイプの日本酒でした。

 

f:id:leglutton:20210612072229j:image


地元舞阪で取れた鯛のお刺身。熟成させた鯛を厚切りのカットで頂きます。厚切りの身を咀嚼するとぐわーっと鯛の旨味が出てきます。鯛の刺身が美味しいお店を私は信用しているので、この店好きだと確信し始めました。

 

f:id:leglutton:20210612072248j:image


天ぷら前の準備運動で御前崎のワカメと先程の鯛の出汁。ワカメがとろとろで美味しい。鯛の出汁もしっかりです。

 

f:id:leglutton:20210612072306j:image


日本酒も準備。黒龍の福。先程同様香りが豊潤。さあ天ぷら食べるぞ。

 

f:id:leglutton:20210612072321j:image


その天ぷらは1番センター、キス。いきなり主砲どころから来ました。キスらしい香りが素晴らしく軽い食感。キスから始まる物語のはじまりはじまり。

 

f:id:leglutton:20210612072334j:image


太刀魚。主役級が続きます。この太刀魚、ミキュイとも言うべきか半生に近い火入れであり、ジューシーかつほっくりとした食感。太刀魚特有の香りが素晴らしいですね。厚切りで食べ応えがあるのも好きな芸風です。

 

f:id:leglutton:20210612072347j:image


もう日本酒無くなっちゃったから而今。青リンゴの様なチャーミングのある香り。さっきから薄々思ってましたが、こちらの大将、こういう華やかな香りの日本酒が好きなんですね。私と一緒です。

 

f:id:leglutton:20210612072402j:image


タラの芽。うわーなんて香りが良いのか。衣が薄く、パリパリとした食感と食材の香りが抜群。なるほど、だからああいう日本酒が好きなんだな。

 

f:id:leglutton:20210612072415j:image


山菜続く。はりきり。後から山菜らしい苦味が来ますねえ。先日ひら田でも美味しい山菜頂きましたが、山菜って命の芽吹きって感じで良い。ビール飲みたくなってきた。

 

f:id:leglutton:20210612072428j:image

 

来ました甘鯛。これもデカい。甘鯛の天ぷらと言えば成生ですが、流石にそこまでと言いませんがそれでもかなり美味しい。やっぱり甘鯛は香りなんだよな。

 

f:id:leglutton:20210612072519j:image


山菜の天ぷらと言えばコシアブラ。苦味と仄かな酸味。バランスの良い食材で問答無用の美味しさです。

 

f:id:leglutton:20210612072533j:image


今度の日本酒は小布施のヌメロシックスが出てきました。先程の私の印象まんまのチョイスに笑う。絶対この大将ワイン好きだ。

 

f:id:leglutton:20210612072547j:image


天然の大車海老。さっきの特大のやつです。うわーもうこれむちゃんこ美味しいですねえ。大味かと思いきや、身の香り、旨味、甘味、パーフェクトです。食べ応えと合わせたら今までの天ぷらで1番美味しい海老だったかも知れません。

 

f:id:leglutton:20210612072602j:image


山うど。やはり香りが素晴らしいですねえ。海と山、同時に感じられる構成も素晴らしい。

 

f:id:leglutton:20210612072615j:image


穴子。高音でガリっと揚げられており、ザクザクとした食感がまず良い。芸風としてはみかわに近いかな。太白油の香りと穴子の香りもマッチして素晴らしい天ぷらのフィニッシュでした。

 

f:id:leglutton:20210612072629j:image


〆のご飯に行く前に出汁と豆腐の摺流しの様なもの。素敵な天ぷらの余韻に浸ります。

 

f:id:leglutton:20210612072645j:image


ご飯は前日も頂いた餅鰹を醤油で煮ただけの煮物と一緒に白米を頂きます。最初は醤油のアタックですが、鰹の旨味がぐわーっとくるグラデーションが抜群。甘い米との相性も良い。

 

f:id:leglutton:20210612072659j:image


お代わりをお願いすると、「大盛りにしますか?」の一言に満面の笑みで応えるとほんとに大盛りにしてくれました。大将と心が通じ合った瞬間です。


いつもはご飯ものは一種類だそうですが、この日は特別にもう一種類出して頂けるとの事。もう私の心は完全に掴まれました。

 

f:id:leglutton:20210612072719j:image


その前に漬物。メロンとセロリと沢庵という珍しい構成。これがまたさっぱりと美味しく、それでいて変化があり良かった。

 

f:id:leglutton:20210612072826j:image


さて、もう一種類のご飯物はなんとかき揚げ丼です。何だよ最高か。しかもご飯にはコシアブラがこれでもかと混ぜ合わされています。九○萬でもコシアブラご飯食べましたが、こちらは入ってる量の気前が良く香りが良い。かき揚げも海老と山菜で甘味と苦味のバランスが良いですねえ。割と重ためなのですが、コシアブラの苦味が上手く中和させていてスイスイ食べれます。

 

f:id:leglutton:20210612072841j:image


と、またもや大将から「お代わりしますか?」の一言。大好きです、と思わず告白してしまいそうになりました。しかも次は海老だらけ。心が読まれてるのか。というか私がそれだけ美味しそうに食べていたのか。何でも良いですけどとにかく幸せです。

 

f:id:leglutton:20210612072856j:image


甘味はわらび餅。わらび100%のものだそうで20年置かれたものだそう。これ、作ってる時の香りが蜜というか少し癖のある匂い。しかし完成品は臭みなど無く、半分液体上で柔らかく香りが良い。ちなみにこれもお代わりくれました。やばくね。

 

とまあ、本当に食べも食べ、飲みも飲みました。ただ、水や純米大吟醸の件もあり、お会計にはかなりびびっていたのですが、お会計もらってびっくり。26000円でした。コース22000円にビール小瓶一本、日本酒五勺を4杯ですよ。水代なんか全然入ってないやん。もっと飲めば良かった。

 


語彙力貧弱で申し訳無いのですが、ヤバかった。私の好みドンピシャのお店でした。食材のカットが大きく、ボリュームがしっかり、どれも食べ応えと香りを意識した料理で、お酒も豊潤な香りのもの。〆の炭水化物の気前の良さは完全に食い道楽の発想であり、こんなに心が通じ合えるのかと感動を覚えました。


今回は天ぷらのコースでしたが、天ぷらの一流店と互角に戦える美味しさでした。脂がとにかく軽く、衣がかなり薄めなのが特徴的。天ぷらを置いた紙に最後まで全く油が付いていない事がその軽さを証明しています。食材の香りと食感を楽しめる様にとの事なんでしょう。正直成生の次ぐらいに好きでした。あら木よりこっちの方が好き。くすのきなんか比べ物にならない。


そもそもの食材が大変に美味しい。先の通り、山菜は自分達で、魚も地元のものであり、この浜松でお店をやる理由、意義を感じました。浜松ってこんなに豊かな所なんだと気付かされました。


大将は柔和でサービスも全く問題ありません。お会計見るにサービス料は入ってないと思われるのですが、デートでも友人とでも接待でも何でも使えるお店だと思います。いっぱい食べれる人を連れて行きましょう。


今回は天ぷらでしたが、1-2月単位ぐらいで食材が代わり、また調理も変わるとの事。聞いてるだけでワクワクしてしまいました。絶対来ないとあかんやん。

 

 

ここ数ヶ月で1番好きなお店かも。というか和食屋でトップクラスに好き。ハートを鷲掴みにされてしまいました。この感じは霜止苗出の時と同じです。


次は夏かな。夏の間に絶対行く。大好きなお店が出来ました。御馳走様でした。

 

 

勢麟
053-450-1024
静岡県浜松市中区元城町222-25 アルスビル 1F
https://tabelog.com/shizuoka/A2202/A220201/22034729/