サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

鮓 たいと-天草市

鮨三心の大将が天草に行っていたのをインスタで見たので、三心に行った時に大将に直接聞くとこちらのお店とお聞きしたので行って見ました。私の中でなかむらと双璧を成す程好きなお店、奴寿司からも歩いて10-15分ぐらいの距離です。ミシュラン一つ星。


お店はカウンターで5席ほど。大将と女将さんの2人というスタイルです。割と小箱で、靴を脱いで上がる作りや、ご夫婦でやられている事もあり、どことなくプライベート感があります。

 

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まずはビール。朝にジャンキーなハンバーガーを食べてから100km以上走っていたので染みるほど美味い。もう百回は超えるほどロードバイクで走った後のビールを経験していますが、いつだってどんな高いワインより美味しい。

 

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トップバッターは渡蟹。オクラの入ったあんかけに硬めのシャリも入っています。渡蟹らしい爽やかな蟹の風味。山葵の香りも良い。

 

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皮剥は肝醤油で。あかん、死ぬほど美味い。昆布締めで水分を抜いてるそうでそもそもの皮剥自体の旨味がかなり強い上に肝醤油というダブルパンチ。うう、もう日本酒飲みたいよお。

 

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パッと見では山芋の醤油漬けの様なビジュアルのこちらはガリ。生姜の香りが強く、酢はほんの少しだけ甘い香り。つまみというよりは薬味に近い立ち位置でしょうか。これはこれであり。

 

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鮑。ぬおー濃いなあこれも。しかし見た目ほどに肝醤油が強すぎず、あくまでベースは素材そのものという点がとても好き。

 

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もう我慢出来ません。日本酒はお任せで。常山の純米大吟醸。キリッとした辛口ながら口に含むと香りが広がります。また、いきなり純米大吟醸ですけど良いですか?と聞いてくれたのが嬉しい。黙ってケンゾーとか出す店は見習いなさい。

 

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太刀魚。下には紫蘇と茗荷を混ぜたシャリ。これは香りの重ね方が抜群。かぼす、紫蘇と茗荷、最後に太刀魚の香りとグラデーションが素敵。意図を感じる香りの付け方であり、要は私の好きなタイプの料理なのである。

 

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シンプルな煮蛸。見た目ほど濃くなく素直に美味しい。先程は熟慮を重ねた料理という感じですが、一点シンプルに戻す所にセンスを感じました。

 

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クエを素揚げしたものを酢醤油で頂きます。てっきり酢醤油の味が主体的かと思いきや、思いの外強いクエの旨味に驚く。こういうのが天草の魚は多いんだよな。期待以上に魚の味が濃い。堪らず日本酒を煽ります。

 

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握りがスタート。まずはアオリイカから。かなり細かく包丁が入れられてトロける食感。冬の様な濃厚さは無いですが十分美味しい。

シャリは硬めで暖かく、酢はそれほどキツくありません。奴寿司も似たような芸風のシャリだった気がします。江戸前とは全く違う芸風です。

 

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出ました、白甘鯛。天草の白甘鯛こそ寿司界のキングと思ってる私、歓喜。淡白な裏側に控えめだけどしっかり存在する旨味、そして弾力、香り。文句のつけようが無い美味しさ。三心でも天草の白甘鯛出て来ますが使いたくなるのがよく分かります。

 

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天草の定番、車海老。ムチムチ。もうちょっとミキュイの方が好きだけど充分甘く美味しい。

 

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紫雲丹は海苔巻きに。うがーむちゃんこ美味しいぞこれ。そもそも雲丹の量がたっぷりで香りが強い。雲丹といえば紫雲丹より赤雲丹というのは定説ですが、そんな常識をひっくり返すほど美味しい紫雲丹でした。天草ではもう取れ始めるとの事。隣の奥様も偉く感動していてもう一個頼んでました。

 

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鮪。さっきの白甘鯛もそうでしたが、薄くカットして2枚重ねにしてる珍しい握りです。それはそうとして赤身なのにトロけますねえ。また酸がキリッとしていて好きなタイプ。今日はこのネタのみ長崎で、他は全て天草産との事。

 

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味噌汁。魚の出汁に赤味噌。DNAレベルで美味い。

 

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青魚評論家の私の大好きな鯖の登場です。青魚特有の香りがしっかり。天草の青魚ってどこも香りが本当に素晴らしい。

 

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これなんだっけかな。ここら辺大将と隣のお客さんとすっかり話し込んでいて失念。

 

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穴子。デカい。そして美味い。もう終わりか。お腹いっぱいなのに寂しさがこみ上げる。

 

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干瓢巻き。ちゃんと美味しい。海苔の香りが良く、干瓢の甘さとマッチ。この期に及んでも一本食いできます。

 

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玉。うわ、これ美味しい。少し甘めの味付けなのですが、魚の出汁を使ってるのか独特の魚の香りがします。玉でびっくりする事って殆ど無いので、余計に記憶に残りました。

 

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さて追加タイム。隣の奥様に便乗して紫雲丹おかわり。今度は軍艦にしてもらいました。これ、見ただけじゃ分からないですが、半分以上雲丹でした。そしてやはりむちゃくちゃ美味しい。まさか人生最高の紫雲丹にここで出会うとは。今思い出しても涎出てくる。

 

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さっきは素揚げで出て来たクエもお代わり。握りにするとより一層旨みの強さが分かります。生のクエって淡白過ぎてそもそも握りで出てくる事自体それほど多くありませんが、そんなイメージが覆りました。永久に咀嚼したい。


以上でビール小瓶2本、日本酒2合で18000円ちょっと。尊い。熊本の寿司は本当に尊い

 


素晴らしかった。とにかく魚が美味い。なんでこんなに天草の魚は美味しいのだろう。ネタの香り、旨味、歯触り、どれをとっても極上品です。どちらかと言うと地味なネタで派手さは無いですが、見た目だけでは分からない真の美味しさがある。常々言っていますが、魚に関しては天草がやはり日本でナンバーワン。


大将の雰囲気も良いですね。良い意味で擦れてないのは地元のお客さんが多いからでしょうか。かしこまり過ぎてもいないし、都会の寿司ブームとは無縁。洗練された印象はありませんが、でも心から落ち着きます。途中からずっと大将や隣のご夫婦と話していましたがとにかく心地よかった。


奴寿司との比較で言えばあちらの方が大箱で昔ながらの寿司屋という感じです。こちらの方が日本酒のラインナップが豊富なので酒飲みはこちらの方が良いかなあ。でも非常に甲乙付け難い。というよりつまみも握りも全然違うので両方に交互に行くのが1番良いのでしょう。

 


都会で寿司を食べ慣れて、でも値段の高さ、浮ついた客層、サービスレベルの低さ、洗練されたと思い込んでる職人、そんななんやかんやに辟易している人は一度熊本や天草に来た方が良いと思います。寿司屋とは本来どういうものか、美味しい寿司とはどういうものか、それが味わえます。どれもネタの香りが良いのも特徴的。そういう所が三心とも似ています。


熊本にガチで移住したい。熊本のお金持ちの人、誰か仕事下さい。私は模範的な社畜なので何事も上手くやれる自信はあるのだけれど。天草は行きたいけど遠いしなあと思ってる方、行かなきゃ損ですよ。気合で休みを撮りましょう。行く価値が間違い無くありますから。

 

 

鮓 たいと
0969-22-2505
熊本県天草市浄南町2-2
https://tabelog.com/kumamoto/A4305/A430501/43001426/