熊本県と言えば熊本市内以外には阿蘇か天草の方しか行った事は無いのですが、初めて菊池市という所に来ました。街を少し歩きましたが温泉以外に特に何も無い内陸の街ですが、そんな街にこのお店はあります。ミシュランのビブグルマンにも選ばれています。前日伺ったむら上の弟さんもご存知でした。
こんな所にビブグルマンを取るイタリアンがあるんかというぐらい寂れた温泉街。隣はスナックなどが入るビルにあります。逆に期待に胸が高まる君。
店内はカウンターが6席ほどにテーブルが一つ。シェフともう1人アルバイトらしき女性がいらっしゃる小さなお店です。
メニューはこんな感じ。地元の野菜、肉を使った料理です。シェフご自身も仰ってましたが割とボリュームがあるのでお腹を空かせて行きましょう。
まずは泡。ワインはビオのものしか無い様です。シェフはグラスで出すと高く付いてしまうし、ビオなので味わい的に微妙かもと仰っていました。でもメニュー的に一本で通すのはなあと思いペアリングにしましたが、結論から言うとシェフの言う通りでボトルの方が安く美味しく飲めるかと思います。
トップバッターはモッツァレラと苺。酸味の強い苺であり意外と合います。モッツァレラの乳臭さがもっとあると尚良かったですが素直に美味しい。
地元の野菜を使ったサラダ。いまそこで取って来ましたという瑞々しい苦味に、トマトの酸味とオレンジの甘味が重なります。そこに香ばしいカシューナッツとたっぷりのチーズが嬉しい。単に素材を重ねただけですが、それ故にどれもそのフレッシュさが際立っていました。こんなサラダなら毎日食べたい。
ソーヴィニヨンブラン。割と酸が主体的でびんびんにビオです。
グリーンピースの白ワイン煮込み。所謂グリーンピースの青臭さは嫌な無く、インゲン豆の様です。ベーコンの塩気と旨味、バジルのフレッシュさとバランスが良い。
パンは特大かつ出てきた瞬間から小麦の香りがプンプン。そして添えられたリエットが過去最高に美味しい。豚の旨味、脂の少なさ、塩気、パーフェクトです。
オレンジワイン。あまりオレンジわいんぼくなく、癖が無く美味しい。
とうもろこしの品種、ゴールドラッシュのスープです。スープとは名ばかりで少し粗めにひかれたとうもろこしは粘度が高く正に食べると言う表現が正しい。とうもろこし本来の甘さであり、酒にも良く合います。今年の夏も北海道行きたいなあ。
ガメイ。ガメイらしい葡萄感。美味しい。
タリアテッレ。見た目から美味しいやんこんなん。地元の小麦を使ったパスタと地元で取れた牛だそうです。手打ちパスタらしく、小麦の香りが仄かに香ります。問答無用の美味しさ。
なんだったかな。良い意味で田舎っぽいワインとメモしてました。なんやそれ。
メインは豚肉。ソースはマルサラ酒を使ってるとのことですが、豚肉の脂の甘味とよく合います。肉は割とタフな食感であり、食べ応え抜群。ボリュームもあり満足。
酔ってるのかワインのメモ取っていません。気分の良い証拠です。
リゾット。わお、これもボリュームいっぱい。サルシッシャ、原木椎茸にスナップエンドウ、更にチーズとバターをすごい量入れてました。しか私サルシッシャと椎茸の旨味が凄いですね。スナップエンドウの食感とほのかな甘味もアクセントになり素材の良さが際立ちます。このリゾットむちゃくちゃ美味しいな。
最後はエスプレッソとチョコのタルトで御馳走様でした。
以上で15000円弱。やはりワインが少し高めだったかな。複数人でボトルでだったらもっと安く済むと思います。
事前に写真を見ていて美味しそうだなと思っていたのですが、その通りの美味しさでした。単純にイタリアンとしてまず美味しい。調味料の使い方が思い切り良く、何を食べてるかしっかりと分かります。こういうのが食べたかったんだよ、というイタリアンです。私の大好きなオステリアオルモに近い芸風。
食材も素晴らしい。特に野菜に関してはフレッシュで香りが濃く、こういう所に惹かれてここでやることにしたんだろう、と思いました。片田舎と言っていい場所で拘りを持ってやる姿勢に共感を覚えます。熊本市内のあそこよりよっぽどこっちの方が良い。
一方で課題はワインでしょうか。ビオのみ、しかも味わいもびんびんにビオ感があるものばかりであり、この辺は好みが分かれます。グラスだと高く付いてしまうのも難点。ただこれは先に仰って頂いた上でこちらがオーダーしてるのでその意味では納得しています。という事でこれは純粋に好みです。
1人というよりは2人以上でボトルで頼むのが良いんでしょう。シェフもボトル前提っぽい事を仰っていましたし、ここに1人で来るお客さんはほぼほぼ居ないでしょうから、その意味で間違っていないと思います。ワインを選べば1人1万ぐらいで収まるんじゃないかな。
いずれにしても味は間違いなく、テンポも良い。ボリュームもたっぷり。都会で洒落たイタリアンを食べるのも良いけど、その土地ならではのものを頂くという意味で、こういったお店に行く事が旅の醍醐味でしょう。御馳走様でした。
コントルノ食堂
0968-41-6361
熊本県菊池市隈府1114 六軒街
https://tabelog.com/kumamoto/A4303/A430301/43011572/