茅場町の裏路地にあるこちらにお邪魔しました。中々に入口が分かりづらいので気をつけて探しましょう。
店内はカウンターが5-6席にテーブル席が2つほど。シェフのワンオペでやられています。
メニューはアラカルトで。ワインメニューは無く好みを伝えるなりおススメを聞くなりすればシェフが持って来てくれます。この日私以外には4組10名程居ましたが、それら全てのお客さんがアラカルトかつグラスワインで頼まれており、すげえ忙しそうでしたが、待たされたと感じる場面は一つもありませんでした。これぞ匠の技。
まずはシャンパーニュ。わお、たっぷりで乗っけからテンションが上がります。シャルドネ主体でピノノワールとピノムニエ。シャルドネらしいキリっとした酸ながら、ロースト香と伸びやかな余韻。やっぱりシャンパーニュって美味しい。
ちなみに最後の明細で分かりましたが、シャンパーニュは1500円、その他グラスも1000円から1500円まで。一杯がたっぷりなのでガンガン飲みましょう。
シャルキュリトリ。私は1人での訪問でしたのでボリュームを調整して下さいました。このシャルキュリトリは相当に美味しいですね。見惚れていてどれがどれという説明を聞き逃しましたが、右手前の鴨の生ハムが香りと旨味がパーフェクト。どれも肉肉しさにあふれており、シャルキュリトリってこうだよなと感じます。
バゲットも。忙しいのにちゃんとあっためてくれます。他から買ってるのでしょうが、小麦の香りが良い。これもたっぷりです。
牡蠣のサラダ。なにこの牡蠣超美味しそう。特大の牡蠣が鎮座しており、もはや牡蠣の野菜添えである。牡蠣は燻製されており、ジュースが溢れ出し、香りがとにかく良いですねえ。またサラダは白ワインビネガーと玉ねぎをすりおろしたものと思われるドレッシングが美味しい。味のバランスの良さにセンスを感じます。
ワインはプィイフュメ。ソーヴィニヨンブランと言えばサンセールが好きなのですが、サンセールより骨格がしっかりしていて結構好きなタイプでした。
ホワイトアスパラガス。なんやこれ太すぎぃ。こんなぶっといアスパラ見たことありません。味自体は素朴なホワイトアスパラで甘味と苦味を感じます。春だなあ良いなあ。
シャルドネ。ムルソーの生産者が作ったものとこと。ACブルゴーニュなのですが心の底から美味しいですねえ。香りが完全にムルソー。味は仄かに樽の香りで酸が主体的です。美味しい。これぐらいの方がデイリーで飲むには良いかも知れません。
子羊は大きいカットが2つも。このビジュアル感が堪りません。羊の香りがしっかりしていて、そうそうこういうのが食べたいと思ってたんだよ、という料理です。最後は手で持って骨についた肉をしゃぶる幸せ。
ピノ。コートドニュイ。香りが抜群。これぞブルゴーニュ。さっきからそんなに高くないワインですがちゃんと美味しい。
まだ食べれそうだったので炭水化物を。リゾットが食べたいと私が言うと冷蔵庫を空けて暫し考えて、枝豆とホタテのリゾットはどうですか?と提案頂いたので乗る事にしました。
しかし決まったメニューとは違うものをその場で即興で考えて出すって凄いな。それまで何を頼んだかで変えてる様です。こういうのは自信がないと出来ません。
果たして枝豆とホタテのリゾット。特大の帆立が4つに枝豆がこれでもかと入っています。バターの香りも良く、濃厚なのにスイスイ食べてしまいました。私は満腹という幸せを手に入れた。
南アのシャルドネ。豊潤で樽香りもしっかり。フランス以外にもこんなのあるんだぜ、というシェフの意地を感じました。
以上、食事5品にワイン5杯で14000円程。悪くない。全然悪くない。近所にあったら通うレベルです。
麻布れとろの様なフレキシビリティーさ、マキュイジーヌの様な骨太さを併せ持った、素晴らしいお店でした。それがこの価格帯で頂けるのは茅場町の奇跡である。ちなみに茅場町の奇跡は2回目です。
割と素朴な料理なのですが、ボリューム感、味付けなどに思い切りの良さを感じます。控えめな量でしっかりとした値段を取る店は東京にはごまんとありますが、こちらはその逆です。
客層も良いですね。食べ慣れたおじさんグループ、近所の老夫婦、常連のおじさん、未だ付き合ってない風の若い男女。多種多様な客層というところがこの店を表しています。私の様にがっつりコース形式で前菜からメインまで食べている人も居れば、隣の常連のおじさんは完全にお任せで2-3品をつまんでいました。
ワインもそれぞれのオーダーした料理に合わせて色々と出していました。フランスのものが中心で価格帯的には安いですが、そのチョイスは見事。
何より凄いのはこれを全部1人でやってる事。この手際の良さ。目が回る程忙しいのにちゃんと説明してくれるし、待たされたと感じる場面もありませんでした。このシェフは料理するのが大好きなんだろうな。そして美味しいって言ってもらえることにとても幸せを感じるタイプなのでは。そんな愛を料理と雰囲気から感じました。
やっぱりアラカルトで鍛えられてっていうのは大事だなと。三心の大将の言葉が忘れられません。ほんまあのシェフに言って聞かせてやりたい。
次は複数人で来てもっと色々食べてみようかな。必ずまた伺います。御馳走様でした。
ルタンボル
03-5643-5507
東京都中央区日本橋茅場町1-5-2 日原ビル B1F
https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130203/13196793/