サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

木山-丸太町

京都御苑のすぐ南側、丸太町にあるこちらにお邪魔しました。2021年4月時点で食べログ4.36、ゴールドメダルと数多のお店がある京都でも屈指の人気店です。ミシュラン一つ星。


店内は京都の和食店らしい木の温もりが感じられるカウンターが8席ほど。個室もある様です。こういうお店来ると京都来たなーって思います。


まぜはビール。と共に白湯で胃を温めます。いつも冷ましてるんだか温めてるんだか分かんないなと思いつつ、とりあえず腹が減りました。

 

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先付は白子。下に摺流しで炊いたお米が。白子らしい濃厚なミルク感に蓮根の食感が良いですね。その蓮根は仄かな酸味も感じられ、味に濃淡が感じられます。


写真はありませんが日本酒を盃で。このパターンは初めてです。ここら辺の詳しい作法も勉強しないとな。

 

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こちらは新じゃがの饅頭。饅頭の上には生のばちこが乗っており、中にも入っています。摺流しはふきのとうと春の装い。こういう季節感がダイレクトに感じられる料理って大好き。じゃがいももふきのとうもはっきりした香りで素直に美味しい。


こちらのお店にはお弟子さんが何人か居らっしゃるのですが、その中に1人、若く真面目そうな見た目ながら実は社交的な子が居ます。この子が結構軽口叩いたりして見た目とのギャップがあって面白い。私の中で社交的な山田と名付けました。

 

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早速日本酒へ。墨廻江。クリアーな味わいでトップバッターに最適です。お酒はビールは1000円ですが、日本酒は半合で600-700円と店の格にしては安いのでガンガン行きましょう。

 

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お刺身は赤貝とつぶ貝に野菜の白和。酢が効いていてさっぱりですが、やはり貝が美味しいですねえ。特に赤貝に関してはコリコリとした食感に甘味がとにかく豊潤。私に子供が居たら春は貝と言い聞かせて育てたい。

 

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目の前で社交的な山田が3種類の節を延々と削っています。何でも鰹の生節、本枯節、鮪節だそう。これをそのまま頂きますが、これが無茶苦茶美味しい。こうやって一度に3種類食べると全然違いますね。そしてとにかく香りが良く旨味が濃厚。ピノノワールが猛烈に飲みたくなりました。

 

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この節の本命はお出汁。目の前で一番出汁を取ってそれをそのまま頂きます。うわー何とクリアーかつ濃厚なのか。身体に染み入る様で居て、香りが口の中からこれでもかと鼻に抜けていきます。出汁ってこんなに美味しいんだ。こちらのお店を選んだのは良い水が出るからとの事でしたが、確かに出汁が美味すぎる。

 

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続いて駿河湾のクエを餅状にしたもの。これもお出汁が本当に美味しい。淡白になりがちなクエもこうして食べると輪郭が濃くなり印象点がぐっと上がります。

 

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お出汁の下りぐらいから一気に楽しくなってきたので酒追加。これ、以前に淡如雲でも飲んだやつです。ちょっと癖があって割と好き。

 

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ででん、赤座海老。これも駿河湾と言っていたのでサスエから仕入れてるのかも知れません。手前のオレンジのものは平目とネギを巻いたものです。

もうこれは赤座海老しか勝たん。海老の味が濃く、味噌の香りも抜群。赤座海老というとカセント成生を思い出すのですが、比類するほど美味しかった。

 

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こちらは最初に追加でどうですか?と提案頂いた唐墨餅です。これがまたがっつり唐墨が入っていて見事な酒泥棒っぷり。餅の香ばしい香りが良く、割とボリューミーです。しかし後から明細を頂くとこれで2000円でした。唐墨だししゃあないけど高いなあ。私は小市民なのです。

 

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他のお客さんに酔鯨を出していたので思わず私もお願いしました。酔鯨好きなんだよな。今年は高知行こうかな。

 

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焼き物は喉黒。大根おろしとたっぷりの薬味に、梅で頂きます。喉黒は流石の脂の洪水っぷりですが、薬味と梅が見事に受け止めてくれています。この思い切った薬味の量にセンスを感じますね。バランスが良く、あっという間に食べてしまいました。

 

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蕎麦は山掛け。これも蕎麦というよりは出汁の印象が強い。ああやって見せられちゃうとそうなります。人は雰囲気の奴隷である。

 

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気付けば而今。そう、こちらのお店、追加のお酒の聞き方がとても自然で上手です。お客さんのグラス空いてるかなーとか、聞くぞ聞くぞーって聞くんじゃなくて、目線だけでグラスをパッと見てさらっとどうされます?と聞く。全く押し付けがましくないのでついつい頼んでしまいます。大将の聞き方が非常に上手でちゃんと弟子達もそれに倣っています。

 

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極太のホワイトアスパラガスと特大の蛤の天ぷら。なんじゃこの巨大なアスパラと蛤は。美味いに決まってるやん。天ぷらと仰っていましたが、衣が薄く、どことなく唐揚げに近いニュアンス。これだけ大きいとこの方が良いかも知れません。アスパラも蛤もジューシーで、その汁で日本酒を飲むと心が満たされる。

 

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いい加減酔っ払ってきて名前を失念しましたが、駿河湾の鯛。下のものは失念しました。この日飲み過ぎである。しかしこれも魚の味が濃いですねえ。流石駿河湾の鯛。


さてお待ちかねの炭水化物タイムです。この日は4種類。全部も可能、しかも小盛りから大盛りまで可能とか神かよ。私はほぼ泥酔に近く、調子に乗って全部大盛りにしました。だって社交的な山田が煽ってくるから。

 

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お漬物。この辺は間違いなく美味しい、

 

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まずはご飯の上にトロトロの卵と白魚を。なにこれ見た目から美味いやん。そして大盛りがランチで出てくる普通のご飯ぐらいで怯む。しかし米が真っ当に美味しく、白魚の仄かな甘味と苦味が良いですね。

 

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二つ目は、先程頂いたクエの出汁で雑炊に。中にはクエの身もゴロゴロと入っています。とうにお腹はいっぱいなのですがあまりに出汁が美味しくすっーと入っていってしまいます。

 

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三つ目は鰹をたっぷりの胡麻のタレに漬けて丼に。こんなん美味く無いわけがない。胡麻の風味に負けない鰹の鉄分が素晴らしい。そしてこれ一品で丸の内だったら1000円ぐらい取れそうなボリューム。あかん、お腹がヤバい。

 

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最後は削り節にじゃこをたっぷり乗せて生卵を。社交的な山田が気を利かせて2つも載せてくれました。最高のTKGです。美味い、美味すぎる。しかしここまで食べ過ぎて最後少し残してしまいました。もう胃が満タンオーバー状態。私は不味い以外では滅多に残さないのですが、本当にごめんなさい。これ4つとも大盛りで食べれる人そうは居ないと思うので私の様な調子乗りは要注意です。

 

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ブラッドオレンジのジュースです。何とさっぱりするのか。死ぬほど食べた後でこれは有難い。

 

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何かの餅的な甘味。もうこの時酔っ払ってるわお腹が今にもはち切れそうだわで、記憶が御座いません。

 

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最後はお抹茶で御馳走様でした。今宵も幸せだった。今死んでも悔いが無いぐらいお腹いっぱいです。


お会計は32000円弱。うわーすごいな。唐墨餅がなければ3万切るのか。崇めたい程のコスパです。

 


全体的な印象として基本となる出汁が非常に美味しかったなと感じました。後からそれぞれを振り返ると、どれも香りが良く素材の裏にしっかり出汁がいたなという印象です。素材も一流であり、駿河湾を中心とした魚介類が出汁と相まって極上の料理に昇華していました。


サービスも秀逸。老舗出身だけあって大将の接客は落ち着いていながらも飄々としていて老若男女満遍なく変わらない接客であり、前述のお酒の聞き方など心に残りました。あと社交的な山田な。山田もあれぐらい弾けてくれると良いのだけど。


見せ方も良いんですよね。節を延々と削って目の前で出汁を取って見せる。どこのお店でもやっている事をああやって見せる事で客の気持ちを惹きつける事が出来ますし、実は間が空いてるのを気付かせない工夫になっています。映え狙いでは無いけれど上手いなーと感心していました。

 


先日伺った安久は自由な発想で型破り、という印象でしたが、こちらは正統的な和食だけど所々現代的な工夫が感じられました。そう、クラシックでモダンなんですよね。あくまで基本はクラシックだけど、出汁とか最後の米の食べさせ方とかとてもモダンです。


これでこの値段だもんなあ。ボリュームもしっかりでお酒も安い。その意味で京都で1番好きなお店かも知れません。次はロブションに行くと思ってお腹を空っぽにして、始めから日本酒ガンガン飲もうと思います。次こそご飯全部大盛りにして食べ切るぞ。御馳走様でした。また必ず伺います。

 

 

木山
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京都府京都市中京区絹屋町136 ヴェルドール御所 1F
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