サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

すし処 睦月-上ゲ

愛知県開拓強化月間中という事で寿司でも食べたいなと思っていましたが、名古屋の寿司屋は予約が全然取れません。美味しい所は予約取れないし、美味しくない所も取りづらい。という事で市内から離れたこちらにお邪魔しました。


名古屋駅から電車で30分強。各駅しか停まらない地方の駅です。駅前には何も無く、住宅街がただ広がっているだけ。そんな中にひっそり佇みます。僻地と言って良いですがミシュラン一つ星です。


数週間前に予約したのですが、1人ならという事で休日夜に入れました。しかし、後々分かりますが、休日だと3-4ヶ月待ちは当たり前の様でしたので運が良かっただけの様です。

 

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まずはビールから。店内はカウンターで8席に小上がりの座敷がありますが、コロナ対策なのか座敷は使わずカウンターのみになっていました。田舎のお寿司屋さんといった印象です。

 

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いきなりガリが置かれます。甘酢であり美味しい。最初から置かれるのは珍しいですねうた。酒のつまみとして食べても良いというメッセージと受け取りました。

 

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トップバッターは日間賀島のタコを茹でたもの。なにこれうんま。見た目は超シンプルですが、弾力が強く、タコの味が濃い。出汁で煮た感じは無いのでそれだけ旨味が強いのでしょう。咀嚼するたびに味が滲み出てきて、またあったかいのも良いですね。素敵な滑り出しです。

 

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こちらは自家製の豆腐。餡はしっかりした味わいですが、それに負けない大豆の力強さが印象的。温かく、生姜の香りもして、飲める豆腐です。最初は豆腐?と思いましたが必然性を感じました。


この店は酒を飲ませる店だと早々に判断し、日本酒へ。好みをお伝えすると合わせて奥様が持ってきて頂けます。エチケットは無いですが勝駒。旨味が強く後味すっきり。

 

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これは何だったかな。メモ取り忘れ失念。

 

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三重で取れた鰆を醤油漬けにして燻したもの。その名の通り、酒を飲むためにあるものです。とは言え塩気は強くなく、旨味が濃厚。燻製の香りも強すぎず、日本酒が目に見えて無くなっていきます。

 

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と思ったら鰆の醤油漬けの端っこも出してもらいました。うんま。これだけで1合飲めそう。間違い無い、この大将相当酒好きだ。気合を入れ直します。

 

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続いては蕗の寿司とイカと蕗味噌和え。ぐわーこれもむちゃくちゃ酒を飲ます味わい。蕗味噌が美味しいのは想定の範囲内ながら、蕗の寿司が美味しい。仄かな酢の香り、蕗の食感。こんなん美味くないでしょと思って口に入れた自分を責めたい。

 

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喉黒の焼き物。なんやこれ。脂がすごいのは想像の範囲内としても、それ以上に香りが良いですねえ。そしてただ焼いただけとは思えない旨味、香り。喉黒って脂が凄いので少しでも満足するのですが、こんなにもっと食べたいと思った喉黒は初めてです。店内全員が驚く程美味しかった。

 

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地物の平目の縁側。綺麗な脂だなあ。縁側にありがちな嫌な脂感がなく、スッキリだけど濃厚。お手本の様な縁側でした。


ここまでテンポが素晴らしく良い。大将は無駄口叩かず黙々と調理をしています。こういう寿司屋を待っていました。

 

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三河湾の渡蟹。出てきた瞬間から香りがぐわーと来ますが、食べるとさらに良いですね。そして蟹の味が濃厚。すっごい好きです、この蟹。

 

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日間賀島の河豚の白子を焼いたものと刺身。ポン酢の味が結構強いのですが、それに負けず白子が濃厚。好きだなあ、この合わせ方。酒がすごい勢いで無くなっていきます。


好みを伝えると、鍋島は?と聞かれたので、飲んだことあるけど好きですよ、とお伝えすると、三重の早瀬浦を頂きました。なるほど美味い。豊潤な香りにすっきりだけど旨味。自分もよく飲んでる人でないと分からない出し方です。

 

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唐墨とあん肝。いやいやなんぼほど飲ますねん。握りにたどり着けるかもはや不安になって来ました。あん肝には奈良漬を刻んだものが入っていて更に飲ませる味わい。もしやこの大将は俺を名古屋に帰さないつもりなのか、と思うぐらい怒涛のつまみの連続。望む所です。

 

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あん肝だけ先に食べ終わったら少し追加してくれました。あかん、握りに行く前に2合空く。まじで帰れないかも。

 

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甘海老はつまみか握りか選べるとの事で、つまみでお願いしました。手前は味噌なのですが、濃厚な海老の味噌。海老も濃く、どれだけ酒を無くしに掛かってくるのか。

 

ようやく握りに。酔っ払って来ました。

 

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まずは地物のキス。まあ普通かな。キスはやっぱり天ぷらが1番美味しいですね。ただ手始めはこんなもんから、というメッセージでしょう。というかあのペースで握りもこられるとリアルに帰れなくなるのでこれで有難い。

 

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雲丹は細巻で。ぐわー雲丹が濃い。そして出てきた瞬間から海苔の香り。雲丹の握りは海苔と一緒に頂く事が多いですが、この海苔が意外に大事。

 

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海老。つるんとした見た目にぷりぷりの身。ああ、エロい。私の海老に対する感想でエロいが出てきたらとても褒めているという事です。

 

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鯖。少し〆てあります。香りが良く、脂も乗ってる。美味しいなあ。この辺は安定感のある味わいと言った所。

 

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地物の墨烏賊。これは普通かなあ。それほど好きというわけじゃないからかもしれません。

 

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ここでなんと穴子。珍しいタイミングで出ます。ふわふわでちゃんと美味しい。

 

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小肌。これはむちゃんこ美味しいですねえ。酢が円く、穏やかな〆方であり、酢と身の香りのバランスがベストです。カットも良くとろける様で小肌界でもかなりの上位です。

 

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鮪のトロを漬けにしたもの。酸と脂が素晴らしい。鉄分はありませんが、これはこれで美味しい。やはり酢が円やかなのがとても良い。

 

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平目。香りは良いけど普通かなあ。鮪の後には少し役不足

 

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干瓢巻き。やはりこれも海苔が美味い。

 

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ラストはねぎとろ巻き。やっぱり美味しいなあ。先程同様酸と香りがいいし、やっぱり海苔が美味しい。

 

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赤出汁と玉で御馳走様でした。しっかり満腹です。

 

 

素晴らしいお店でした。とにかくつまみが素晴らしいペースでポンポン出てきて、そのどれもが見事に酒を飲ませるメニューです。あれだけ怒涛の様に酒を飲ませるつまみが出てくるのは初めて。酒飲みには天国の様です。その意味で酒飲みと下戸では評価が分かれるかも知れません。


つまみの圧倒する様な流れからすると握りはあっさり目というか少し物足りなさがあったのは事実です。しかし、あのペースで握りも出てきてしまうと本当に帰れなくなってしまうし、食べ疲れしてしまうかも知れません。その意味では全体を通してバランスを取っているのだと感じました。


何より地物中心なのが良いですね。やはり寿司というのは華美な食材を使うのでは無く、旬の地元で取れた魚を食べさせてくれるのが醍醐味。映えを狙った雲丹だいくらなどという下衆な真似はしません。その点とても好感が持てます。

 

何より値段。コース15000円にビール1本と日本酒3合で19800円と2万を切りました。まじか。めちゃ安いやん。これなら名古屋市内で寿司食べる必要無し。それぐらい美味しかった。


大将は寡黙でそっけない様に見えて良くお客さんことを見ています。余計なことを言わず、でも一切の不快感が無い。これぞ寿司屋。日本酒も好みに合わせて頂けますし、言うことありません。

 


とても満足しました。私は普段次の予約などしないのですが、思わず次の予約を入れてしまいました。しかし冒頭の通り次は4ヶ月先。この僻地でこれはすごい。しかしわかりました、これだけ美味しくて安いなら、名古屋市内で食べるのがアホらしくなります。


愛知で一番、いや寿司屋の中でもトップクラスに好きなお店でした。愛知に来るなら名古屋で済ますのは勿体無い。また必ず来ます。御馳走様でした。

 

 

すし処 睦月
0569-72-8185
愛知県知多郡武豊町池田2-137-4
https://tabelog.com/aichi/A2304/A230402/23013911/