サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

すし宮川-円山公園

魚と言えば冬の北海道に勝るもの無しと良く言いますが、ならばその北海道の中でもトップの店に行こう、という事でトップオブトップのこちらにお邪魔しました。燦然と輝くミシュラン三つ星です。


予約が取れない事で有名ですが、社畜の私は予約開始日に在宅をして朝から30分もひたすらスマホの画面押し続け漸く予約する事が出来ました。その間の仕事の事については聞かないで下さい。


お店は円山公園近くの道路沿いにひっそりと佇みます。以前伺ったミシュラン二つ星の和喜智も近くにあり、流石札幌でも高級住宅街と呼ばれるだけあります。


まずはビールで乾杯。あまりに暇だったのですすきのから-10°の中を40分ほどかけて歩いて来ました。だからか美味い。でなくてもビールは美味い。

 

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トップバッターは温かいものから。中には白子、クエ、餅が入っています。白子が期待通りの濃厚さであり、また炙った餅の香ばしさが心地良い。

 

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続いては平目。茗荷、ネギ、カイワレといった薬味が華やか。脂が乗って平目にしてはコッテリとした味わいながら薬味がちゃんと役割を果たしています。

 

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日本酒は下駄を預けて。雁木。お会計金額からするに一合1000円台半ばという感じでしょうか。この手の店にしては良心的なお値段です。

 

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唐墨と百合根。百合根の優しくも強い甘さと唐墨の塩気と良いバランス。食感もコントラストがあり、シンプルながら良く計算された一皿でした。

 

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鮑。ソースは煮汁を煮詰めて、肝を入れたものだそうです。うわーこのソースはむちゃんこ美味しいですね。エスプーマの様にきめの細かい泡立ちであり、その柔らかさから極上のマヨネーズの様です。鮑自体もソースに負けじと咀嚼する度に旨味が溢れてくる。

 

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こうなると日本酒が進む。こうも寒いとどれだけ飲んでも外に出れば素面になる気がします。

 

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美しいこの身は締め鯖です。皮目を藁で炙っているとの事。酢は殆ど感じず、熟成された脂が押し寄せてきます。薬味が葱と山わさびを合わせたものだそうですが、良いアクセント。さっきから薬味の使い方が素晴らしいですね。

 

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あん肝。問答無用。日本酒が目に見えて無くなります。またあん肝に春菊を合わせる発想が素晴らしい。先程から味のコントラストを意識してるのがよく分かります。

 

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可愛らしいエチケット。女子ウケ間違い無し。飲んでるのはおっさんやけどな。

 

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さて握りに突入。まずは出汁を含ませたホッキ貝です。貝から始まるとは挑戦的な布陣。臭みは無いですが味自体はまあこんなもんかという感じ。あら木のホッキ貝また食べたいなあ。

 

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鮪の漬け。わお、赤身なのにトロけます。結構ツメが濃い。つまみとはまたちょっと違う感じです。シャリは良い意味で目立ちません。

 

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マハタ。普通に美味しい。やはりツメの酸がしっかりしていてそちらが気になります。

 

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アカムツ。ぬおーこれは脂がすごい。なのにクドさが無いのはやはりツメのおかげなのでしょうか。

 

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中トロは柵のまま漬けたものを。先程の赤身も凄かったですが、これも脂があふれる程であり、流石魚の王様という味わい。ただ個人的にはもっと鉄分がある方が好みでした。

 

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鰆。うわーこの鰆むちゃ美味いぞ。鰆の握りは炙ったり蒸したりと色々手を加える事が多いですが、こちらは手を加えておらず、故に余計に魚としての美味しさが際立ちます。脂と身のバランスが素晴らしい。

 

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割とツメがはっきりしてるので酒が進む。

 

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車海老。最初にふわっと海老の香りがして、そこから怒涛の様な甘みが来ます。上品な甘さであり、いやらしさが全然ない。

 

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煮蛤。これは控えめに言って極上。蛤の香りがものすごい。蛤は割としっかりとしたツメで頂くことが多いですが、こちらはあくまで蛤を食べさせてくれました。

 

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霧多布の雲丹。濃さよりも雲丹の香りが良いですねえ。爽やかさを感じる雲丹でした。なんだかクレッシェンド気味にあげてきてるな。

 

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穴子は海苔に挟んで。なるほど海苔の香りと穴子が良く合う。

 

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お味噌汁は何かの出汁だったかと思いますが失念。

 

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縁側。うーんこれは普通かな。このお店というより縁側自体の限界がこれぐらいなのかも知れません。

 

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最後は鉄火巻きを。美味しいけど普通かなあ。やはり鉄火巻きはその名の通り鉄分の強い個体の方が良いのかも知れません。

 

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玉も優しい味わいでフィニッシュです。

 

以上で27000円。三つ星のお店と考えればリーズナブルですね。一幸や和喜智よりも少し安い。そら予約取れませんわ。

 

 

全体の印象として癖が無いというか、とても優しい印象でした。繊細で円やかであり、すーっと入っていく様な感覚です。大将の雰囲気も正にそんな感じであり、握り手と料理が見事に一致していました。


食べていて思ったのですが、極めて偏差値の高い寿司だなと。つまみの味や食感のコントラストの付け方、ネタの細かい包丁の入れ方など、寿司を食べ慣れている人ほど感動するかも知れません。その意味で私の偏差値がまだ低かったのかも知れない、そうとも思いました。


一方で寿司とはやはり詰まるところ好みの問題だと改めて感じました。私は分かりやすい方が好きなタイプなので、こちらは美味しいけど感動まではいかない。かと言って照寿司みたいなのも困るんだけど。

 

 

と、ここまでは食べたすぐ後に思った事で、正直自分の中でしっくり来なかったのですが、2ヶ月近く経って写真を見返しすと、結構一品一品の味や香りを覚えているんですね。食べた後は一幸の方が好きかなあと思っていたのですが、こうして見返しているとこちらの方が食べたい気になってきています。


これが恐らく仕事のレベルの高さなのかも知れません。つまみに関しては星付きの和食を凌駕する仕事の細かさであり、握りもネタの特徴とツメとの相性が素晴らしい。食べてる時はツメが割と濃いなあという印象だったのですが、こうして振り返るとネタの味や香りがはっきりと思い返せる。こんな感覚は今まで無く、なんだか魔法にかけられたみたいです。

 

2020年はそれなりの寿司屋に色々行って自分なりに寿司というものを系統だって把握したつもりでしたが、まだまだだと思い知らされました。また勉強して、2021年もどこかでまたこちらに行きたいと思います。御馳走様でした。

 

 

すし宮川
011-613-2221
北海道札幌市中央区南1条西24-1-30 円山OCT BLD 1F
https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010105/1046463/