サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

すし 此方彼方-中島公園

厳冬期の北海道に来るのは初めて。しかも丁度寒波が来ており雪は降っていないものの、札幌市内は日中でも気温は-6,7°、陽が落ちると余裕で-10°突破していました。そんな中でも来たのは、冬の北海道の魚が1番と言われるからです。


という事でこちらに。霜止苗出の姉妹店というべきか、同じく五十嵐シェフがやられている寿司屋です。昨年のベストレストランに選んだぐらい大好きな霜止苗出ですので期待が高まる君で来店。

 

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店内は霜止苗出と似た様な感じ。厨房挟んで別の部屋になってるんですね。トイレなどは共同です。前回来た時は全くこちら側があるなんて気付きもしませんでした。面白い造り。


てっきり五十嵐シェフは霜止苗出の方で、こちらは別の方が全て料理やら何やらやるのかと思いきや、握るのは職人さんがいらっしゃいますが、ツマミやら握りのネタは全て五十嵐シェフがやっておられました。すげえな。

 

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という事で前置きが長くなりましたが、まずはシャンパーニュ。ドラピエのビオ。霜止苗出でも最初はこれでしたね。酸がはっきり。腹が減った。


私は五十嵐シェフと同じくらいあのソムリエールに会えるのを楽しみにしていたのですが、ワインも全て五十嵐シェフが出して下さいました。いないのかな。まさか辞めちゃったりしてないよな、と勝手に不安になる私。お前誰だよ。

 

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まずは唐墨から。良い意味で塩気が効きすぎておらずアミューズ的な立ち位置。最初はこんな感じから、というメッセージだと受け取りました。

 

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甘海老のウイスキー漬け。ねっとりとした海老の甘味とウイスキーの香りが口の中を豊潤に満たしていきます。酒だ、酒。

 

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南ローヌのユニブランという品種。オレンジワインです。中々に癖のあるものでしたが、ウイスキーと海老の濃厚さとよく合います。

 

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三陸のワカメをホースラディッシュに和えて。美味しいのですが、ワカメとしての味と風味が少し弱い。口直し的であり、握りの合間でも良かったかも知れません。

 

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厚岸の牡蠣を唐辛子の麹漬けに。麹が中々にしょっぱくて、唐辛子のピリっとした辛さと共に酒を呼びます。完全に日本酒だな、これは。

 

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余市の鰤をスモークに。燻製の香りがトップに来て、ミドルにかけて鰤の脂が出てきます。良い具合に脂が落ちており、濃厚過ぎないのがグッド。


写真を失念してしまいましたが、ジュラのシャルドネ。樽感がしっかりあり、ブルゴーニュの様です。美味しい。ていうか2つの店の料理もしながら、お酒まで選んで持ってきてくれるって凄くないか。ちなみにこの間、寿司の職人さんは所在無さげに皿とか片付けてくれます。何となく肩身狭そう。

 

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鮭の生ハム。4ヶ月寝かせたそうです。塩気というより旨味が強く、つまみとしてバッチリ。

 

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こちらは白子の入った茶碗蒸し。白子は香り程度であり、キノコの様な旨味を感じます。不思議な味わい。自分の表現力の無さを痛感します。


さて握り。ようやく職人さんの出番です。

 

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トップバッターは平目。まずは及第点という感じ。

シャリは硬めで、山葵の香りが強く、ツメが濃い目。予想通りネタのカットがデカく食べ応えがあります。ちょっとシャリが緩めなのが残念。


こちらも失念してしまいましたが、イカ。これも普通かなあ。イカに関しては期待値が高かったのでちょっと残念。

 

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サヨリ、おお、これは結構美味しい。個人的偏見で、サヨリって大して美味しく無いけどとりあえず間を埋める為にあるぐらいに思ってましたが、これは美味しかった。すまんかった、サヨリ

 

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こちらはサーモン。うわーむちゃんこ美味しいぞこれ。身の香り、脂のノリ、パーフェクトです。サーモンって回転寿司とかではあるものの、良いお寿司屋さんで頂くことってほぼありませんが、無茶苦茶美味しいですね。

 

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締め鯖。ちょっと締め過ぎかな。もっと鯖自体の味を感じたい派です。

 

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キンキ。見た目通り脂がすんごい。凄すぎてちょっとくどい。

 

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鰤。なんやこれエグい。口に入れた瞬間から今まで感じた事の無い香りの強さであり、脂が強過ぎず、鰤自体の味が濃厚。これは冬の王様だわ。

 

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アルザスのゲヴェルツ、しかもロゼですって。またようこんな珍しいものばかり持ってくるなあ。酸がしっかりして美味しい。

 

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鰊。カットが分厚く、ニシン自体も脂が良くうんまい。むしゃむしゃ。

 

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目抜け。何と品の良い脂なのでしょう。今正に旬ですと訴えかけてくるかの様です。

 

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春子鯛。うーんこれに関しては完全にツメの味に負けちゃってますね。シャリが緩くポロポロと崩れるのも印象が悪い。

 

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ホッキ貝。笑っちゃうぐらいデカい。口いっぱいに頬張ると、咀嚼するたびに貝特有の甘味が溢れ出る。生臭さは微塵もなく、貝としてトップクラスに美味しい。

 

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牡丹海老。これも特大サイズ。ツメをつけすぎなのが玉に瑕ですが、ねっとり濃厚な海老ちゃんでした。

 

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帆立。いやいや、デカすぎでしょ。どこにこんなデカい貝柱あるんだよ、と突っ込みたくなる。しかしこの帆立がむちゃんこ甘い。私はそんなに帆立を好まないのですが、それだけに余計に美味しく感じました。

 

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シャリの上に雲丹と蟹を乗せて小さな丼状に。うーんこれもちょっとツメが強すぎますね。素材が良いだけに勿体無い。

 

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穴子。最後まで特大サイズ。そして味も濃い。こんなにムシャムシャ食べる寿司は初めてだ。

 

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最後に蟹出汁の味噌汁で御馳走様でした。


以上コース一通りにワインをグラス4杯で17000円弱。うわやっす。何だかんだと言いましたがこれだけ安ければまあいっかと思える。素晴らしいなこのコスパ

 

 

とにかくネタが大きく、食べ応えのある寿司でした。魚を食べてるという充足感があります。冬の北海道ならではのネタも多く、流石と思わせるネタが多かったのも特徴的。


ただ寿司として見た時にはどうでしょう。前述の通り、シャリが緩かったりツメが濃すぎたりと、寿司としてのレベルはワンランク落ちます。そういう意味で寿司屋に行くと思って行くと、肩透かしを喰らうかも知れません。


まあこれは仕方ないでしょう。恐らく五十嵐シェフの表現したい寿司があって、あくまで握り手は握る役割しか無い。雇われ職人さんなので、レベルの高い人を引っ張って来るのが難しい事は理解出来ます。そういった点も踏まえて値段を抑えてるのかも知れません。

 


まず霜止苗出に行ってからこちらに来るのが良いでしょうね。五十嵐シェフには明確な世界観と好みが合って、それに合うか合わないかで評価が大分変わります。カットの大きさ、味付け、この辺に癖があるので、人は選ぶと思います。私は分かりやすい方向性が好きですし、シェフの食い道楽的な所にすごく共感出来るので大好きです。


そういう意味で寿司屋ではあるものの、このお店ではワインが良いのかなと思います。日本酒もあるにはあるのですが、世界観的にワインなんですよね。それにちゃんと料理に合わせてくる。ビオ系の珍しいものが多いですが、その点も心に残ります。


色々あれどやはり私は五十嵐シェフのファンなんだなと改めて感じました。それにやっぱりこのコスパならまた行きたいと思います。今回ソムリエールに会えなかったし。次は霜止苗出とどっちにしようかな。御馳走様でした。

 

 

すし 此方彼方
080-3234-1700
北海道札幌市中央区南9西4-5-12 カモカモビル 1F
https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010104/1063640/