サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

御料理 まつ山-黒崎

年末も年末のこの日、大寒波が日本海側を襲い、福岡も雪。細かな雪が舞う年末感バリバリな中、こちらにお邪魔しました。2021年2月時点で食べログは4.44、ミシュラン一つ星です。


北九州と言えば小倉ですが、そこから電車に揺られ黒崎駅へ。駅前のデパートは潰れ、人通りも疎ら。駅前でもそんな感じなのに、更に路地裏に入っていきます。ほんまにあるんかいなと思いましたがほんまにあります。


店内はカウンターが6席と清潔でこじんまりとしています。和食の星付きという事で勝手にそれなりのご年齢を想像していましたが、大将はまだ結構お若そうです。

 

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今日使う食材のプレゼンテーション。昆布森の雲丹と石川の香箱蟹。蟹さんからは外子がはみ出しまくっちゃってます。後で美味しく食べてやるからな。

 

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まずは玉露で胃を温めてから飲み物。特別にという事で新政No.6のスパークリングを。見た目通りクリスマス用のものらしいのですが、まだ残っていたので特別にお出し頂けました。シャンパーニュの様な豊潤な香りで普通のNo.6より美味しかった気がします。

 

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箱に入った八寸。

 

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左からとんぶりのなんやかんや、海老芋を一旦揚げて漉したもの、くわいのチップス、雲丹の下にアカイカの酢味噌和え、海鼠、です。上品かつ輪郭のはっきりした味わいであり美味。特に海鼠は凄い弾力で他のお客さんも驚いていました。

 

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新政を秒で飲み干し次の日本酒へ。貴なんですが、こんなラベルあるんですね。日本酒はペアリングという形で料理に合わせておちょこ一杯分入れて頂けます。いっぱい飲みたければ大きなおちょこで、少なくて良い人は頼まなかったり小さいおちょこにしたりとフレキシブル。良いですね、これ。

 

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鯖寿司。手前は千枚漬けを巻いたもの、奥は炭を押し付けたものです。千枚漬けはさっぱり、炭は香りとコントラスト。鯖の香りがもう少しあると良かったですが、さっぱりとした酢の〆方が良い。また海苔もちゃんと美味しかった。

 

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お椀は失念してしまったのですが揚げたものを鮪出汁に。鮪出汁の香りが店内に充満。鰹よりも上品な香りです。また揚げ物が少しずつ出汁に溶け出して味わいが変化するのも見事。

 

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こちらは鰆。なんと綺麗な身なのでしょう。藍の鰆と言って藍島で取れる鰆をブランド化したものだそうです。あの照寿司の大将も藍の鰆のホームページに出てます。

 

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その鰆は刺身で。なんじゃこれは。身がクリアーで脂のノリも良いけど香りが抜群です。土佐醤油とネギと辛子を漬けると、もはや鮪の様な綺麗な身と脂の味。私は天草の鰆がNo.1だと思っていましたが、この瞬間トップに踊り出ました。というかもはや別物です。

 

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土佐しらぎく。超スッキリで香り良く大好きな日本酒です。

 

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厚岸仙鳳士の生牡蠣はなんとクリームソースと合わせて頂きます。うわーこれむちゃんこ美味しいな。クリームソースのもったり感を桜大根が中和。計算され尽くされた一品です。

 

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酒がポンポン出てくる。おちょこ2つでぐいぐい行きます。幸せや。

 

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最初に見た香箱蟹が登場。外子と内子の下には蟹の身がぎっちぎちに詰まっています。私は蟹がとりわけ好きという訳ではないのですが、これは美味しいですねえ。身が甘く、内子と外子も日本酒と合います。年の瀬だなあ。

 

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熊本の赤牛。見よ、この綺麗な身。食べる前から幸せが約束された瞬間です。

 

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肉を待つ間も間髪入れずお酒が。しかしこんなに多種類の日本酒を一度に飲むのは初めて。控えめに言ってすげえ嬉しい。

 

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お肉が到着。左から生胡椒、マスタード、国産のハラペーニョ。優勝です有難うございます。左から食べて下さいとの事ですが、そもそもの肉自体の味が濃い上に、味の変化もあってもっともっと食べたくなる。日本酒とのペアリングも完璧。これだけ取ってみても淡如雲と同等かそれ以上と感じました。

 

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このペースすごくないですか?従量課金制では無いっぽい気がするのですが、ここまで来るとどうでも良くなってきます。

 

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柚子のお椀に入ったのはまたしても蟹。しかしながら蕪が主題であり、しっかりとした出汁に柚子と蕪の香りで冬を感じさせるものでした。

 

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ご飯と共に味噌汁が来ました。セリ、クレソン、鶏肉と白味噌と、もはや何料理だか分かりませんが、味噌汁には違いありません。鶏肉や野菜がゴロゴロ入っており、ご飯が進む。途中で柚子胡椒を入れて味変するアイディアも素晴らしい。

 

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ご飯のお供は縮緬雑魚、漬物に、

 

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ぬおーなんやこれ。先程のお肉の切れ端を甘辛く炒めて、卵黄の上におき、自家製のカラスミをふりかけたものです。こんなんずるい。うまいに決まってます。完璧なご飯のお供です。

 

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これで終わりかと思ったらメヒカリまで出てきました。肉とメヒカリでもう幸せの絶頂。ご飯一杯が小さかったこともあり5杯食べました。余は満足じゃ。しかも残りはおにぎりで貰いました。

 

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デザート。自家製の杏仁豆腐に、りんご、洋梨、苺、カマンベールチーズ。複雑な構成要素ですが、杏仁豆腐をベースに色々な香り、味わいが楽しめます。りんごの香りも良いし、カマンベールの塩気と杏仁豆腐もマッチ。すごいなあ。なんでもケーキ屋を今度博多でやるらしいのですが、なるほど確かに甘味が素晴らしい。

 

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最後は抹茶と金平糖金平糖の周りが少ししょっぱくて美味しかった。

 

 

いやー美味しかった。食材も豪華ですが、食べさせ方が上手いですね。後半に向けてぐわーっと上がってくるので凄く楽しめました。


大将はご自身も良く食べに行くと仰ってましたが、そういうのが良く分かる料理、味付け、流れでした。グルマンのツボが良くわかっていて、食べる事が大好きなのが料理から伝わってきます。


日本酒のペアリングも良い。料理と一緒で酒飲みの飲ませ方であり、その意味で食べるのも飲むのも大好きな人は間違いなく好きでしょう。


そう言う意味で銀座しのはらと印象的には似ています。でもこちらの方がもっと繊細であり、地方でやる意味を感じました。大将の接客もいい意味でこなれており、女将との連携もばっちし。


一方で残念だったのは価格の不透明さ。料理が2万の税別サービス込で日本酒ペアリングが5000円だったのですが、お会計は33000円でした。こういうの本当に勿体無いですね。全体的な満足感としては値段からすると良いぐらいなのですが。


と言う事で2万円台ならもっと良かったけど、味は確か。この店に行くために黒崎に行く必然性を感じます。めちゃくちゃ予約が取りづらい、というわけでは無いのも良いですね。また季節を変えてお邪魔します。御馳走様でした。

 

 

御料理 まつ山
093-642-2278
福岡県北九州市八幡西区藤田2-1-10
https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400404/40028665/