サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

鮨 三心-谷町六丁目

大阪、いや日本の中でもトップクラスに予約が取りづらいこちらにお邪魔する事が出来ました。大阪は谷町四丁目と六丁目の間ぐらいにあります。コロナの影響で現在昼のみの11:30〜と14:00〜の二回転です。


お店に早めに着くと、お店の隣にある待合室?の様な所に案内頂きました。後から聞くとどうやらギャラリーを兼ねている様であり、茶器なども置いてあります。寿司屋でこの形式は珍しい。要はお洒落です。


時間になり入店。店内も木の温もりと灰色の土壁がかっちょいい。私は1番窓側の席だったのですが、コロナ対策なのか窓を開けており、目の前が公園で紅葉も見えます(まだ紅葉の時期に訪問)。情緒というか何となく借景とも言えなくもない。

 

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昼からビール。朝から雨の中を走った甲斐あって美味い。公園で子供達の声を聞きながら寿司屋で昼からビールを飲むというのも中々良いものである。

 

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まずは自家製の唐墨から。一年寝かせてあるそうです。また下のお米はお店のスタッフ自ら作っているそう。味わいははっきりしていますが、酸味が穏やかで円やかな輪郭。トップバッターとして最適です。

 

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続いては鰹。手前が藁焼きで奥が漬けです。藁焼きは右手前にある玉ねぎのジャムと辛子を漬けて頂きます。これはめちゃんこ香りが良いですねえ。鰹特有の鉄分の強さは勿論ですが、脂のノリが最高。漬けは更に脂を感じ、それでいていつまでも口の中に残る鉄分が素晴らしい。この鰹の時点で今日の勝利を確信。この店は美味いぞ。

 

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鱈の白子。柚子の果汁がかけられており、柚子の香りと甘さが白子の濃厚さとマッチ。この時はまだ秋でしたが、ああ、もうすぐ冬なんだなと思わせる季節感がありました。

 

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こちらは大阪湾で取れた鰯を海苔巻きに。中には甘酢昆布と芽ネギ。こちらも酸味が穏やかで脂をしっかり感じる。芽ネギの触感も良い。青魚評論家の私も満足の味わい。

 

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メヒカリ。ぐわーすごい脂だこれは。昼だというのに猛烈に日本酒が飲みたくなります。メヒカリ自体、確かに脂の強いものですが、その中でもトップクラスの脂のノリ、美味しさでした。


しかし大将はイケメンですね。そう思って検索すると「鮨三心 イケメン」でGoogleにも出てきます。顔だけでなく、所作も美しく、2020年で伺った寿司屋で1番身のこなしも含めて美しい大将でした。モテるんだろうな。羨ましい。

 

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さて握りに。まずは和歌山の白甘鯛から。やっぱり白甘鯛は美味しいなあ。鯛にも関わらず抜群の旨味が特徴的。しっかり脂も乗っています。シャリは米が硬め、酢は弱めで、癖の無いものであり万人受けしそうです。

 

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これ、鰯なんですよ。北海道の真鰯との事。ぐわー鰯の香りと脂がすんごい。中々ここまでの鰯には出会えません。鰯としてトップクラスに美味しかった。

 

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大間のマグロ。鮪特有の酸が素晴らしいですねえ。鉄分はそこまでですが、鮪として十分美味しいものでした。日が差してる寿司というのも中々斬新な画です。

 

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トロ。これはもう脂が溢れる。正にトロける触感であり、また後味がいつまでも引かず、極上の残り香。やばい、この店めっちゃ美味い。

 

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有明の小肌。浅めに漬けられており私好み。こちらも穏やかで余韻の長い握りです。薄々感じてましたが、これは酢が良いんだろうな。

 

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九十九里の蛤。大きいですねえ。甘目のツメと蛤の香り。王道の味わいです。

 

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箸休めに焼き銀杏。カリカリに焼かれていて苦味と香りが楽しい。結構強いネタが続いていたので良いアクセントになりました。

 

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有明の天然車海老。なんだこれは。甘い。海老の甘さがすごい。ここまで海老の甘さをしっかり感じたのは初めてです。

 

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鯨とセリのしゃぶしゃぶが出て来ました。鯨の脂はともかく、セリがめちゃくちゃに美味しい。大将がいいセリが手に入ったのでと言っていましたが、正にその通り。セリって青臭いイメージがありましたが、そんな青臭さは微塵も無く、それでいてしっかりとした香りのものでした。

 

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鰆。上には山山葵。山山葵の香りがいいですね。鰆って割とどこでも出る魚ですが、淡白故に色々な調理、合わせ方がありますが、この食べ方はかなり好きでした。鰆がちゃんと感じられます。

 

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蟹です。せいこと松葉の蒸し寿司。下にはいくらまで。蓋を開けたその瞬間の香りから悶絶。なんでこんな香りが良いんだ。いくらの塩気もちょうど良い。豪華なだけでは無い必然を感じました。

 

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皮剥。皮剥が食べれる季節になってきて嬉しい限り。やはりそこらの寿司屋の皮剥とはダンチ。肝の濃厚さにまたしても日本酒が飲みたくなる。

 

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鰤に大根を乗せて握りで。なるほど鰤大根ですね。鰤は脂が空前絶後のサンシャインですが、大根がフレッシュで見事に中和してくれます。鰤大根って理にかなってるんだなあ。

 

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赤出汁の味噌汁。山椒の葉の香りがすっきり。

 

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穴子は焼いたもの。これもジューシーそのもの。しっかりと甘いツメも良い。まだ終わりたく無いよお。

 

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ハーブ巻き。うーん、急にずっこけ。ハーブは美味しいのですが、最後にいるかな、これ。他がかなり良いのでそのまま突き抜けて欲しかった。

 

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卵焼きは2種類。左はカステラの様で、右は甘目の卵焼きとコントラスト。ちゃんと戻して来ました。最後まで飽きさせません。

 

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甘味は隣の家屋に移動して煎茶とぜんざいを頂きます。良いなあこういうの。ゆっくり頂きたかったのですが、仕事場から鬼の様なメールと電話が来ていた為、速攻で食べて退店しました。悔しい。

 

以上コース一通りとビール一本で23000円弱。おー素晴らしい。大阪の中心地に近く、立地的にも良いのに、日本酒あと2合飲んでも26000-27000円ぐらいと考えればかなり良い。これだけ人気のお店でこの費用はそりゃ人気が出るわけです。

 

 

純粋にネタが美味しい。季節もあるのかも知れませんが、どのネタも脂が乗っていて香りも良く、良いお寿司食べたなあという満足感があります。


こちらの酢がかなり好みでした。酸は丸く穏やかですが、いつまでもその香りが口の中に残ります。脂の乗ったネタとの相性も良く、脂の香りを引き立たせる様な役割をしていました。もはや残り香が良すぎてかえって酒が進まないかも知れません。それほど余韻の長い握りでした。


シャリが温かいのも特徴的。握る度に釜からお櫃に入れて、握ってる間も蓋を閉めているぐらい気を遣っていました。この方がこの酢には良いのかも知れません。


サービス面も素晴らしい。大将の所作や応対も穏やかであり、弟子や店員さんはみなハキハキと動きが良い。良いお店というのが手に取る様に分かります。伝統的な寿司屋ですが、現代的に洗練されており、私が寿司職人を目指していたらこういうお店で修行したいと思うようなお店でした。

 


少し大将とお話していましたが、この予約の取れなさに少し戸惑いというか大将も困っている様子でした。色々な策を練るも一長一短で難しいと。しかしこの様な一種のバブルの様な状況でも浮つかず、実直な仕事で、暴利を貪る事も無い姿勢に感動を覚えました。泡沫の夢に溺れる事なく、地に足の着いた仕事。こういうお店が未来永劫続いて行くのでしょう。


また運良く予約が取れる様頑張ります。この店のために大阪に行く価値がある。御馳走様でした。

 

 

鮨 三心
06-6767-0677
大阪府大阪市中央区久宝寺町2-7-14
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270204/27095402/