サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

ウシマル-山武市

千葉県は山武市に来ました。山武市ってどこやねんという人は九十九里を思い浮かべて頂ければ良いかと思います。都内からも車で1時間半ほどかかるこちらに来たのはこのお店に来る為です。2020年12月時点で食べログ4.37、ブロンズメダルのイタリアンです。


ディナーでお邪魔しましたが、そこそこ大きい県道を一本入ると完全に真っ暗です。畑と人家しかない真っ暗な中を進むと突如として現れる大きな洋風の一軒家がこちら。Googleマップを信じて進みましょう。


店内は4人掛けのテーブル席が4つ程に奥には個室もあるようです。大きなキッチンが客席からも見え、ゆったりとした作りは地方ならでは。


ドリンクはペアリングでお願いしました。コースは1万円、ペアリングは8000円です。

 

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まずは泡。聞いてはいましたが量がたっぷり。さあ今日ももりもり食べて飲みまくるぞ。(ちなみにこの日の昼に担々麺、炒飯、餃子を食べています)

 

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トップバッターは1ヶ月寝かせたコノシロをスカルツァチーズに載せたもの。スカルツァチーズの味が濃く、コノシロの熟成感も良いですね。のっけから濃縮感の強い料理で攻めてきます。もちろん泡ともぴったりです。

 

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センマイ、千切りかぼちゃ、さくらしめじジャージー牛の生ハムをすりおろしてかけています。生ハムの香りとセンマイの食感が心地良いですね。生ハムの香りを味わう一品でした。

 

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こちらにはボルドーの白と珍しい。これはもうグレープフルーツです。熟成感もあり素直に美味しい。買って帰りたい。

 

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わお、伊勢海老です。勝浦で取れたものだそう。味噌をつけてむしゃむしゃと食べる原始的な幸せ。伊勢海老の甘さとぷりっとした身が嬉しい。

 

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産地は失念しましたが、イタリアの白。ソーヴィニヨンブランの様な味わいでありシンプルな素材とよく合うシンプルなワインです。

 

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見て見て、鰻ですよ。九十九里の天然物だそうです。山山葵と塩山椒をつけて頂きます。油がゴリゴリでなくどちらかと言うとさっぱり。炭の香りがとても良いですね。バリっと焼いてあり私好み。


ソムリエがブラインドで当てて下さいと琥珀色の液体を出して頂きました。飲むと完全にシェリーの香り。でも余韻がシェリーほどアルコール感がなくスッと入ります。

 

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なんやこれと悩んでいると、してやったりとボトルを出して答え合わせ。なんと日本酒だそう。日本酒をシェリー樽につけたものだそうです。なるほど日本酒らしい爽やかさと上品な甘味が正体かと合点がいく。鰻ともばっちしです。やりよるなあ。

 

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名前がよく聞き取れませんでしたが、地元で取れた大きなキノコとホッキ貝です。秋の森に迷い込んだ様なキノコの濃厚な香りがいいなあ。こういうものがさっと出てくるの良いよなあ。

 

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こちらには日本酒。こちらは一般的な日本酒ですが、このお店から徒歩5分ほどの酒蔵で作った地酒だそう。地酒贔屓かと思いきや、素直に美味しい。香りが豊かで私の好みにどストライクでした。千葉にもこんな美味しい地酒あるんだ。

 

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千葉と言えば八街の落花生、という事で出てきました。これは単純に落花生がめちゃくちゃ美味しい。落花生のソースも濃厚かつクリーミーで落花生のポテンシャルを余す所なく発揮しています。

 

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またもやシェリー。こちらは一般的なシェリーですが、落花生と合いますね。個人的にそんなにシェリー酒は好んで飲まないのですが、素直に美味しかった。これぞマリアージュの妙です。

 

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縞鯵は半生の火入れで。見るからに美味しそう。鯵の香りが強く、青魚評論家の私も満足。

 

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シシリアの白。果実味が強く、香りの強い鯵にも負けません。急にストレートなペアリングに戻ってきました。

 

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蟹さん。モクズカニです。甲羅を開けると中には焼売の様に生地に包まれた豚肉と内子など。いい意味で蟹が前面に出過ぎておらず、オリエンタルな味わい。

 

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サンセールのオレンジワイン。このオレンジワインよく見るなあ。今年だけで4回ぐらい見ました。オレンジワインなのに割と合わせやすいからでしょうか。霜止苗出のソムリエール可愛かったな。

 

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でてーん。特大のフォカッチャがやってきました。これをお客さんごとにカットしてくれます。

 

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カットされても特大サイズ。中からは湯気が立ち上り小麦の香りが漂います。プレゼンテーションが楽しい。

 

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またもやキノコ。かかってるのはチーズのソースですが、この辺から記憶が怪しい。覚えてない以前に私のメモが途切れています。酔ってきてめんどくなったな自分。

 

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こちらにはラドワ。これで9杯目です。一杯の量は控えめとはいうものの、これだけ飲めば怪しくなるのも当然。シェリーが効いたな。

 

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スズキにもキノコ。ソースも土の香りであり、魚を食べていながら大地を感じる、正に千葉らしい情景が浮かびます。そう考えると千葉って豊かな土地なんだな。

 

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ロワールのソーヴィニヨンブランを飲んだそうです。しかしこの店のキャパでこれだけグラスワインが出てくるのはすごいの一言。しかもここまで白と日本酒とシェリーだから余計にすごい。

 

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メイン前にお口直しのサラダ。バーニャカウダソースとの事で、ほのかなガーリックの香りがスペースを空けてくれます。野菜も新鮮で心から美味しい。

 

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メインはジャージー牛。これはむちゃんこ美味しいですねえ。赤身主体ながらスッと溶けていくような柔らかさ。火入れが完璧です。ミルクのような肉の旨味も特徴的でこれぞジャージー牛とはっきり分かります。

 

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何と2杯出して頂けました。ボルドー三級とプーリア州のもの。この気前の良さは何なんだ。

 

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お口直しはホエイのグラニテ。さっぱりで目が覚めました。とメモっています。確かにここら辺覚えてるわ。

 

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メインはキノコのパスタです。量を選べるとの事で当然に大盛り。これもキノコの香りが強いですねえ。パスタも手打ちなのか、小麦の味を感じます。極めてシンプルかつ素朴なパスタながら、それだけにキノコと小麦を強く感じます。じっくりと味わう美味しさよ。あーお腹いっぱい。

 

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デザートはヨーグルトの上に牛乳のアイスクリームを載せたもの。その名の通り酸味と甘味がはっきりとしていてさっぱりなのに濃厚と面白いコントラスト。

 

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もう一つ牛脂で包んだぶどう。牛脂との事ですがさっぱりしていて面白かった。


この後コーヒーが出た気がしますが、ぶっ倒れる程食べて飲んだのでノックアウトしてました。

 

 

いやー素晴らしかった。地元産に拘り、かつ天然や自然のものが多く、その食材の香りがしっかりした料理の数々でした。シンプル故の力強さがあり、高級食材など使わなくても、贅沢だったなあという満足感があります。


ワインもとにかく種類が多い。しかも飲める客だと思うと更に注いでくれたりします。最高か。シェリーのくだりにしても極めて印象的であり、美味しくてなおかつ心に残る素晴らしいペアリングでした。


これで税サ込みで21600円とは立地を考えても抜群の費用対効果。華美な食材など使わなくてもこれだけ美味しい料理が出来るんだぞ、という料理人としての誇りを感じました。

 


この土地でこの料理をやる意味を感じるって良いですよね。確かに東京は全国の美味しい食材が集まって来る所ですが、こうやって片田舎でその土地のものをしっかりと感じながら味わう事の方がより贅沢に感じました。食とは詰まるところ経験であり、その経験を突き詰めて行くとこういう形態になるのかも知れません。


本当にいいお店だった。東京からわざわざ時間をかけて行く意味がある。ワインも良いので絶対に泊まって飲んだ方が良い。ぶっ倒れるほど食べて飲んで、タクシーか代行で爆睡しましょう。季節を変えてまた来ます。御馳走様でした。

 

 

ウシマル
0479-86-1222
千葉県山武市松尾町木刀1307-2
https://tabelog.com/chiba/A1205/A120502/12000598/