サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

てんぷら 成生-新静岡

天婦羅には数多の名店がありますが、その中でも特に予約の取れない名店として有名なこちら。奇跡的に予約が取れたので新幹線で日帰りで行ってきました。東京からも名古屋からも1時間ぐらいで行けちゃいます。


お店は新静岡駅から徒歩10分程。隣の隣ぐらいに高校があり、丁度下校の時間だったのか高校生がいっぱい居ました。自分の高校生の時を考えるとまさか天婦羅を食べに日帰りで静岡に来る様になるとは。大人になったものだな、なんて隔世の感を抱きながら入店です。

 

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まずはビール。と同時に落花生のスープ。胃を温める為とのこと。優しい落花生の香りであり、見た目の通りクリーミー。確かに胃が温まりお腹が鳴りそう。

 

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つまみはハタのお刺身から。切り身を低い温度の油で油通ししています。ハタの身の旨味が油で引き立ち、むちゃんこ美味しい。脂が乗り、身の締まりも抜群です。

 

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続いても刺身。アカイカです。これも同じく油通ししたもの。これも引くほど美味しい。コリコリとした食感とイカの香りが濃厚。寿司屋を蹂躙する程の美味しさの時点で今宵の勝利を確信しました。


余りに刺身が美味しく、ビールを秒で飲んだのでワインへ移行。ソムリエールらしき女性がお料理に合わせてグラスワインを出してくれます。まずは余市ピノグリ。日本のワインでピノグリとは珍しいですが中々美味しい。穏やかな酸味が魚とよく合います。

 

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つまみもそこそこに天婦羅へ。トップバッターは連子鯛。なんじゃこれすんごい美味いぞ。熱々の天婦羅を鬼おろしの入った天汁に入れて頂くのですが、油がどこまでも軽く、また魚の味が強い。淡白な鯛をフレンチなどでは鱗を揚げ焼きにし、ソースをかける事で補完しますが、こちらはそもそもの鯛の味がむちゃんこ濃く美味しい。

 

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オクラは大井川で取れたもの。ホクホクとオクラの香りが漂い、晩夏を感じさせます。


次のワインはシャブリ。シャブリ特有の穏やかな酸味が揚げ物とよく合います。やばい、序盤にして早くも幸せの溜息出てきた。

 

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早くも天婦羅界の4番、キスの登場です。もはや枕にしたい程の軽やかさであり、キス特有の香りが口内に広がります。キスの天婦羅でこれほど軽やかなものは初めて。端的に言って死ぬほど美味しいです。さっきから美味しいしか言ってないな。

 

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丸茄子。トロッとクリーミーな液体状の熱々の茄子が溢れてきます。さっきから火傷しそうなぐらい熱々なのですが、口の中が火傷だらけになっても悔いは無いほど極上の液体。

 

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うわーこの見た目なんでしょうか。これ鯵なんです。テンション爆上げ。周りはサクッと揚げられているものの、中は生であり、まだ仄かに冷たさすら感じる程。刺身と天婦羅のいいところ取りであり、当然の様に青魚特有の香りが爆発していて半端じゃない。ポーションもめちゃんこ大きく、食べ応えも抜群と、言う事無しです。

 

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戻ります。浜名湖の海老。ここで海老。中は半生で甘味が強い。ここでも地物を使う所に矜恃が垣間見えます。

 

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続いては甘鯛。これも抜群に美味しいですねえ。鱗がパリパリになる様に揚げられ、一方中は羽毛布団の様にふわふわです。甘鯛特有の甘い香りも良く、ポテンシャルを余す所なく発揮しています。

 

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お口直しにサラダが出てきました。沢山のハーブの下には鮑が入っています。鮑が主題かと思いきや、ハーブの香りが鮮やかかつ爽やかで立派なお口直しでした。

 

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ここで海老のお頭。左の小さいのは肝だそうです。バリバリというよりはパリフワという感じでこれも羽毛の様に柔らかい。海老の頭一つとっても天婦羅とは色々な揚げ方があるんだなあと感じます。

 

またしても写真は失念しましたが、今度はモンラッシェ。やっぱり天婦羅には樽の効いたシャルドネが1番。なんと贅沢なのか。

 

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出ました、メゴチ。キスが4番ならメゴチはエースというぐらい個人的には大好きなネタ。天婦羅以外で滅多に頂かない魚ですが、とにかく香りが高い。身の旨味も強く、下手したらキスより美味しいかも。ああ、幸せ。

 

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これカボチャなんですよ。周りが焦げているのですが、これがキャラメルの様な、ほろ苦く甘い香りで、むちゃんこ美味しい。甘いのですが砂糖の様な甘さではなく、本来のかぼちゃとしての甘味なのでクドさが全くありません。

 

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こちらは万願寺唐辛子。かぼちゃの甘味から一点、仄かな辛味が心地良い。とは言え苦味というベクトルは同じであり、一連の流れを感じました。

 

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見た目ではよく分かりませんが、イカの中に海老の子供を詰めたものです。フレッシュなのにねっとりと濃厚という嬉しい矛盾。さっきから色んな香りで満たされて幸せの溜息が止まらない。

 

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パンに見えるこちらはじゃがいも。なんと1時間も揚げていたそうです。蒸したじゃがいもの様なホクホク感と、かぼちゃ同様素材自身の甘味を感じます。食べているだけなのに青い空に広大なじゃがいも畑が情景に浮かぶ様な天婦羅でした。

 

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太刀魚。やっぱり美味しいなあ太刀魚。天汁にダイレクトに入れてくれるのでじゅわっとした音がするのも良い。正に五感を使った料理です。

 

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姫子鯛。何かのお祝いかというぐらい何種類もの鯛が出てきます。こちらはまるでカサゴのようにしっかりとした香り。身はこれまでの鯛同様ふわふわであり幾らでも食べれそう。しかしこれだけ似た様な食材続けても全く飽きないというのはどんな魔法を使ってるんでしょうか。


締めは天丼、天バラ、天茶から選ぶ形。私は天バラをオーダー。お腹はいっぱいなのに、もう終わっちゃうのかと寂しい。

 

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漬物です。普通に美味しい。

 

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天バラです。小海老がゴロゴロと入っています。まずはそのままで。

 

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半分程頂いた後に出汁をかけて頂きます。お腹いっぱいだけどまだまだ食べたいよお。あと5杯ぐらい食べれそうです。

 

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お茶とイチヂク。イチヂクの上には生胡椒が乗っておりさっぱり。お茶も自ら立てており、地元としての誇りを最後まで維持しています。

 

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最後の最後は葛餅。お茶は先程のものの二番煎じで、より苦味を感じます。葛餅は目の前で作っており、最後の最後まで抜かり無し。

 

という事でコースを頂いてビール一杯とワインをグラスで3杯頂いて30000円弱でした。

 


ひたすらに感動的なお料理でした。地物の魚を中心にこれでもかと品数は多いのですが、油がとにかく軽く、いつまでも食べれる様な錯覚を味わいました。揚げ物でこれは奇跡に近い。


とにかく魚の香りが良く、天婦羅とは調理では無く料理だと漸く理解した様な気がします。というかそもそもの魚が本当に美味しい。淡白な魚が多いのですが、どれも柔らかく、香りがよく、何を食べているかはっきりと分かり、天婦羅である必然性を感じました。


それでいてこのお値段。にい留も確かにとても美味しく感動しましたが、往復の新幹線代を考えてもこちらの方が安い。というか値段を超えた圧倒的な美味しさがあります。


そんなに今まで天婦羅のお店に伺った事はありませんが、天婦羅でここまで感動したのは初めてです。もう明日にでも行きたい。毎日食べたい。何故か分からないですが、それぐらいここの天婦羅を食べたい欲求が湧いてきます。こんな事は初めてです。


次いつ行けるか分かりませんが、その日を夢見ることにします。本当に美味しかった。御馳走様でした。

 

 

てんぷら 成生
054-273-0703
静岡県静岡市葵区鷹匠2-5-12 1F
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