サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

照寿司-戸畑

何かと話題のこちらにお邪魔する事が出来ました。北九州市戸畑区という小倉から少し離れた商店街にあるお店ながら2020年8月時点で食べログ4.22とかなりの高得点です。

 

伺う前から、そのパフォーマンスが賛否両論を呼んでいる事は知っていましたが、他人の評価に倣うのではなく自分の目と舌で確かめようと思い、遥々やって来ました。ちなみに小倉駅からシェアサイクルで行くと5-6kmあり汗だくになるので注意して下さい。誰もやらないと思うけど。

 

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始まると早速ニューヨークタイムズを広げる大将。毎回やってるっぽいですが、その割に新聞が綺麗です。何部も買ったのかな。

 

まず泡を頼みましたが、大将のパフォーマンス見ていてすっかり撮り忘れました。 

 

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まずは雲丹とマグロのタルタル、上にはイタリアのオシェトラキャビアという大層なキャビアが乗っかっています。
いきなり豪華な食材なのですが、大層な食材の割にはイマイチ。ついこの間まで北海道で散々雲丹を頂きましたが、レベルが1-2段低い。うーん。

 

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続いても雲丹とキャビアが乗っています。普通に海老ととうもろこしなどでいいんだけど。

 

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名前を忘れましたが大層な海老。これは揚げただけであり普通に美味しかった。

 

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鮑です。こんなに大きい鮑見たことないでしょと仰るのですが、ついこの間一幸で煮鮑なのにこれよりも一回り大きいものを見た私は何となく興醒め。

 

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肝ソースをかけて頂く時も一幸の大将の「肝ソースは鮑自体の味が弱い時」という言葉が脳裏に浮かびます。まあそれは好みとしても和喜智の鮑と肝ソースの方が美味しかったな。

 

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残った肝ソースにシャリを入れて頂くのですが、シャリが非常に香りの強いクセのあるものでした。嫌いでは無いんですが、少し主張が強すぎる嫌いがあります。 

 

ここまで微妙なのでいまいちテンションの上がらない私ですが、とりあえず飲もうとメニューを頂くとワインばかり。グラスの赤白2種類ほどしかなく2つとも国産ワイン、しかもむちゃんこ高い。一杯1900円です。税サ合わせると2300円近くします。

 

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ちなみにこのワイン自体はとても美味しかったのでどこかで買えないかなーと思っていると、後日とある酒屋で偶々見つけたのですが、小売価格で4000円程でした。そらそうだよなと1人で妙に納得。

 

という料理も微妙、酒も高いという事もあり、急激に心のシャッターが閉じていく私。予約の電話をした時は恐らくお父様だと思うのですが物凄く対応が良く、私の好きなグルメブロガーの方も絶賛していたので大層期待していたのですが、期待が高かった分、反動も大きくなってしまいました。

 

とはいえ料理は続くので僅かな期待を持ちながら食べ進めます。

 

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このクエいまいちだったなー。雲丹の必要性も全く無かったし、そもそものクエがイマ3ぐらいでした。

 

大将は律儀に毎度ポーズを取ってくれるので私もカメラを向けざるを得ない。

 

そんな私の空気を察したのか「撮らさせちゃってごめんなさいね」と言って頂きました。こちらこそごめんなさい。

 

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それでも乗らない私を見兼ねたのか徐々に遠くからポーズをされる様になりました。お互いにとって不利益なだけなので、もうポーズしなくて良いですよって言えば良かったな。

 

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アメリカから弟子として連れて帰ってきた彼も握ります。が、シャリがボロボロと崩れ食べづらかった。お店で出せるレベルでは無いですし、ましてやこの価格帯の寿司屋で握る寿司のレベルでは残念ながら全くありません。


という事で何ともテンションの上がらない食事となってしまいました。

 

 

以下はこの後数週間、幾つもの寿司屋を巡った後に、こちらのお店について思った事です。ですので少なくとも味については相対評価にはなっているかと思います。


まず根本的に味と値段が全く合っていません。普通に飲めば4万は超えるお店ですが、味のレベル的にはどう頑張っても1万円代と感じました。要は田舎の高級寿司屋です。だったら鮨みなとの方が遥かにマシというレベルです。

寿司酢の個性が強いのはまだ良いとして、やはりネタ自体がイマイチ。ネタの大きさや雲丹やキャビアなどの高級食材で誤魔化してるだけです。というかそれらも大層な割には値段と釣り合ってはいません。

 

寿司屋、ひいては飲食店である以上、最大のサービスは味以外にありません。ましてやこの北九州で寿司屋をやる意義、拘りを持って欲しいし、持たないのであればそれなりの値段で提供して欲しい、というのが客側の思いですが、正直外国人旅行客向け店舗にありがちなショーアップと食材の表面的な高級さにフォーカスしていると感じます。要は味は良くわからないけどなんか楽しいしすごい食材だし美味しいに決まってる!と思い込む事が出来る人が向いています。

 

誤解を招かないで欲しいのはショーアップする事自体は全く否定もしませんし、斬新なアイディアだと思います。この御時世、インバウンドを意識し、インスタ映えを狙うのは飲食店、というより一企業としてアリだと思います。
しかし味を求める客が来ると途端に戦えなくなる。極端に言えばあと2-3年したら日本のお店は閑古鳥が鳴くんじゃないかな。ご自身で仰っていましたが、海外でお店やった方が良い。しかしそこで客側が美味しい寿司に慣れてくれば、それもまた永続的ではありません。利用者の舌が肥えれば肥えるほど戦えなくなるという脆さを持っています。

 

もう一つ、とても印象が悪かったのが、偶々かも知れませんが客層です。よく考えれば来る前に分かることなのにサボってました。
皆さん口を揃えて美味い美味いと言ってましたが、本気でそう思ってるのかと小一時間問い詰めたい。最後の鰻バーガーなんて炭の香りが強すぎて鰻の味も海苔の香りもしなかった。あれじゃあ天然鰻がかわいそうです。ワインの味もわからないのにクリュグをボトルで開ける、寿司屋に来るのに香水を付けてくる、ワイングラスを乾杯の度にカチカチ合わせる等、まあそんな感じです。インスタ万振りだとこうなるという分かりやすい弊害です。


大将はいい兄ちゃんという感じで悪く言われる自慢話も個人的には嫌味のない、むしろ可愛げのあるキャラクターだと捉えたのですが、上記のお金持ちと思わしき客に小売で買えば4000円しないワインをボトルで35000円で出しているのを見て、私は本格的に心を閉ざしました。確かに手に入れるのが難しいワインであり多少のプレミアムは乗せてもおかしく無いのですが、ほぼ10倍は流石に暴利を貪ってると言わざるを得ないでしょう。そもそもどう考えたってそのワインの価値や味も分からない客にそんな貴重なワインを出すなんて生産者が泣いています。日本ワインに拘るのはあくまでパフォーマンスの一環で拘りなど本当は無いのでしょう。

 

いずれにしてもここまで考えさせられるのも、ある意味大将の意図する所でありその点についてはやはり承服せざるを得ません。革新的である事は批判を生むのは事実で、その点では頑張って欲しいとも思いますが、でもやっぱり味だけはもっと何とかして欲しい。幾らショーアップしようと、暴利を貪ろうとも、味が付いてくれば多少納得はするので。その意味でこの評価というのは全て味と値段の(かなりの)アンバランスさに起因しています。

 

私は他人の評価を鵜呑みにせず自分で経験する事をモットーとしているので、今回は非常に良い経験でした。このレビューを見た方も私の評価なぞ鵜呑みにしちゃダメですよ。

 

 

照寿司
090-9567-2202
福岡県北九州市戸畑区菅原3-1-7
https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400402/40001637/