サイゼリヤからロブションまで

サイゼリヤの様な格安店からロブションの様なミシュラン三つ星店まで。東京はもちろん地方の小都市のお店まで。日本国内はもちろん海外まで。幅広く伺ったお店を紹介しています。

鮨 一幸-西4丁目

札幌には数多の鮨屋がありますが、その中でもとりわけ有名なこちらにお邪魔する事が出来ました。ミシュラン二つ星、食べログ4.50(2020年7月時点)でシルバーメダルです。


元々この日、私は旭川から富良野を抜けて帯広に行く予定にしていましたが、この日を含めて先数日の天気が悪そうでしたので、急遽この日の朝に帯広に行くのをやめ、札幌に向かう事に。当然に夕食は白紙であり、お昼に滝川の高田屋でご飯を食べながらOMAKASEを見ていたら、正にその日の晩に1人の空きが出たのを発見し、文字通り秒で予約。こんな超予約困難店が当日予約で入れるなんて奇跡です。そう、私は日頃の行いが良いのです。


という事で滝川から札幌まで80kmを3時間で走るなど昼の豚丼を消化すべく爆走。途中雨に降られるもテンション爆上げし過ぎて全く気になりませんでした。

 

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という事でまずはビール。爆走の甲斐あって美味い。

 

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最初は真子鰈。左下の切り身は縁側です。これはむちゃんこ美味しいですね。鰈の刺身で美味しいと思う事は早々ありませんが、身の旨味、弾力、縁側の脂など白身の魚の刺身としてはパーフェクトに近い。のっけから高い期待を悠に超えてきます。

 

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続いては鮑。この鮑なんですが超特大もので今まで見た中で1番大きかった。煮てあれなら生のものは化物サイズというぐらい。お客さんみんなびっくりする程でした。

この鮑は水で煮ただけとの事ですが、信じられないくらい味が濃い。噛む程に染み出してくる極上の海の味が堪らない。まだ2品目なのに幸せのため息が出始めちゃいましたどうしよう。

 

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こちらはキンキのしゃぶしゃぶ。臭みが全く無く、すっきりと上品な脂が正にキンキという味わい。ポーションが大き目なのもいいですね。

 

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日本酒に移行します。サービスの女性はお酒に詳しい様子で下駄を預けます。

 

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夏らしい見た目のこちらは水貝と雲丹に潤菜が入ったもの。この鮑はコリコリと食感も良く、また雲丹の味わいは勿論ですが、一番の驚きは潤菜。白神山地で取れたものらしく、弾き返す様な強い食感で巷の潤菜とはもはや別物です。

何でも特別にお願いして取ってもらってるらしく天気が悪いから今日は無理なんて言われちゃうんですよー、と大将は軽口を叩きます。どんなコネクションなんだろうか。

 

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自家製のバチコが出てきました。もう日本酒が止まらない。完璧な日本酒ホイホイです。

 


さて握りに移行します。

 

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まずは春日鯛。なんか分からんけどむちゃんこ美味いぞ、この鯛。鯛は縁起物というだけであまり美味しいと思った事は無いのですがむちゃんこ美味しい。

 

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次は新イカと下足です。これで一匹分という極上の新イカ。ほとんど液状化しており、なんとなく背徳感があります。普通のイカとは別物ですね。

 

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鰯のお目見え。青魚好きの私にとって歓喜の瞬間です。流石というか脂が濃厚で、身の香りも非常に良い。前日旭川で食べた鰯とはレベルがダンチです。

 

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赤身の登場。この日は塩釜産との事。鮪はこの時期が年間で1番悪いと言いながら、充分美味しい。

なんでも米は餅米に近いものらしく、ねっとりと酢を中に閉じ込めるそうで、噛むほどに味が変化します。

 

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日本酒を二杯頂いたので白ワインをグラスで。アリゴテです。ドライで香りは強過ぎず、寿司にぴったり。

 

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こちらは大トロ。良い意味で脂っこ過ぎなくて良いですね。あまり大トロは好まないのですが、こちらはそのさっぱり感が良かった。

 

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積丹の赤雲丹です。美味しいですが、他のお店で頂くのと物凄く違うかというとそこまででは無い気もします。それだけこの季節の雲丹は美味しいという証左でもありますが。

 

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これ鮎なんです。上ノ国町の天の川で取れた天然物だそう。知りませんでしたが北海道では鮎を食べないらしく、よって市場にも出てこないそうですが、昔の常連さんにお願いして取ってもらってるとの事。身とシャリの間には山葵代わりに鮎の頭をすりつぶしてペーストにしたものが入っています。なるほど苦味が爽やかで初夏の味わい。まさか鮎の握りを食べるとは思わなかったなあ。

 

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新子です。これもうんまい。酸味がしっかり効いますが後には引かず、しっかりとあとから旨味が出てきます。

 

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はい優勝と出された瞬間に言いそうなこの握り。先程の煮鮑に淡路島の雲丹が乗っています。なんでもこの淡路島の雲丹は京都のお店とこちらだけで、市場には出ないものとの事。さっきからそんなんばっかりやん。最初に雲丹の濃厚過ぎず、ミルキーな味わいが来て、噛むと後からアワビが来る見事なグラデーション。思い出して生唾飲んでます。

 

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穴子。もう終わりなのかと少し寂しくなる。ふわふわ過ぎて寝たい。あと10貫ぐらい食べれます。

 

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卵。これもふわふわですね。甘みとほのかな海老の香りが美味しい。

 

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最後に鉄火巻きか干瓢巻きを選べるとの事で、私は鉄火巻きを。最後の最後まで美味しかった。日頃行い良く生きていて良かった、神様ありがとう。

 


以上、34000円です。こんなレベルの高い鮨がこの値段で食べれるなら東京で鮨食べる意味無いですね。

 

素晴らしいお店でした。根本的にまず美味しい。味のグラデーションを楽しむ様に、口に含んだ最初と噛んでる間で印象が異なってくる握りばかりでした。あんまり他で感じた事の無い感覚です。素材も全国各地から拘りのものを取り寄せ、その上で地の物もしっかり使っています。


大将の説明が上手いんですよね。若い兄ちゃんという感じで飄々と人当たりも良く誰でも好感を持つ様な人柄に感じました。鼻にかける様なところもなく、とはいえ誇りと拘りを持ってやっているのが分かります。鮨屋は伝統がある故、それを守る人、新たなスタイルを求める人、色々居ますが、1番どんな人にもウケるスタイルでは無いでしょうか。親父さんも柔らかくとにかく雰囲気が良い。


ご本人も仰っていましたが、夏の北海道は1番ネタに乏しい季節であり、そんな中でどういう鮨を出すのかに料理人としての腕が鳴る季節です。それでこんなに美味しいなら冬とかどうなっちゃうんでしょうか。雪の中を這ってでもまた来たい。


鮨のネタだけならもしかしたら美味しい所は他にもあるかも知れませんが、この雰囲気も含めたら今のところNo.1です。プレゼンテーション、接客、雰囲気、全てが素晴らしい。


今回は奇跡的に伺う事が出来ましたが次はいつ行けるかな。ネットにかじりついてでも予約を取ろうと思います。御馳走様でした。

 

 

鮨 一幸
011-200-1144
北海道札幌市中央区南2条西5-31-4 スカレッタビル 2F
https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010102/1044489/