泣く子も黙る超有名店、にい留です。今年の2月に伺った際は偉そうな感想を書いておきながら、テイクアウトを始めたと聞いて早速オーダー。そうです、ただのミーハーです。
オーダーしたのは天丼。7000円です。流石のにい留というか、すんごい値段です。まあある意味テイクアウトとはいえ、この値段でにい留の天ぷらを食べれるのはお得と捉える考え方もあるかも知れません。
お店で受け取る時に「冷める前提ですので温めなくて大丈夫です」と説明を頂きました。確かにカウンターでは大将が揚がった天ぷらに扇風機かけてましたが、あれはあえて冷ましてたんですね。流石のこだわりという感じです。
さてこちらです。具材は海老二本、海老の頭二つ、アスパラガス、とうもろこし、茄子、わかさぎ?、穴子、キスといった感じ。流石に豪華な食材です。
ワインはシャルドネをチョイス。店行った時もシャルドネ飲みましたが、やっぱり天ぷらにはボディがしっかりして樽の香りがあるシャルドネが合いますね。
まずはお店でも最初に出てくる海老の頭から。やっぱり美味いなあ。流石にパリパリではありませんが、ふにゃふにゃでも無く、香りはしっかりしています。地味にふにゃふにゃにしないの難しいと思うんだけどな。
わかさぎと思わしき魚は苦味が良いですね。とうもろこしも甘い。アスパラガスはお店だとめちゃんこジューシーなのですが、流石にそこまでではありませんでした。
やはり衣は少し剥がれてしまったり柔らかくなってしまっています。まあテイクアウトの天丼なのでこれを味だと思わないとダメですね。
具材は冷めてるんで致し方無いのですが、素晴らしいのがご飯。出汁で炊いたのか混ぜたのか分かりませんが、その明瞭な味わいもさることながら、硬さが抜群。吉乃の酢飯も素晴らしかったですが、こちらのご飯はパーフェクトです。このご飯だけで酒飲める。
食べ進めていてお店で頂いた時の事を思い出したのですが、とにかく軽いんですよね。これだけ天ぷらを食べると結構重くてキツくなってくるのですが、こちらの天ぷらにはそれが無い。そしてテイクアウトでもやはりそうでした。これって地味に凄いことな気がしてます。
という事で流石の一言ですね。テイクアウトでこのレベルの天丼は他には無いでしょう。天ぷらは特に揚げたてを食べる事に強いインセンティブが働く料理なので尚更です。
一方で7000円払ってでももう一回食べたいかと言われればNoです。前回と同じで、私個人の意見として7000円はコスパが悪い。普通の1人前とは言え量も少ないし。
これは決してお店や大将をディスってる訳では無く、価値観や好みの違いです。私にとって7000円出してまでもう一回食べたいかと言われたら違うというだけです。これは私の中で天ぷらの優先度が低い事と、単純にそれを毎回払えるだけの収入が無いからです。とは言え、私の年収が10倍あったら食べるかというとそれも微妙かな。年収が10倍になったところで価値観なんてそう変わらない気がします。お店にはまた行くと思いますが。
でもこうやって書いておきながら、やはり心には残るんですよね。それは純粋に美味しいし、ある種の感動を覚えるから。これは大将のひたすらに天ぷらを追求していく姿勢から生まれるものだと思います。
めちゃんこ美味しいお店の料理人はみな一様にある意味病的なまでの拘りがあります。それがとても良い方向に出ると感動を覚える料理を生み出す。こちらのご主人はそれの最たるモデルじゃ無いでしょうか。
やっぱりあの店で出来立て食べたいなあ。誰か食べさせてくんないかなあ。ある日道端歩いてたら、資産家の御老人が「君はいい面をしとる。君にワシの資産を相続させよう。」なんて言ってくれないかな。
にい留
052-936-2077
愛知県名古屋市東区泉2-19-11 キャストビル泉 2F
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230104/23050337/