先週北陸で寿司を食べたばかりなのにまた行ってしまいました。しかもはっこくです。今月のエンゲル係数は100%ぐらいになりそうです。
この日は2番手の斎藤さんの握り。6人入る個室は私以外全員外国人。後から知りましたがこちらのお店は海外からも可能なネット予約だけで無く、海外で寿司のイベントをしたり、インスタで宣伝をしたりと現代的な広告をやっている様です。写真撮影もウェルカム。そういったアプローチのおかげで海外の人でも敷居低く来れるのかも知れません。ネタも全部英語で言ってましたし。
30貫以上にもなる握りが有名ですがまずは写真だけ羅列します。こうすると圧巻です。
それらの中から印象的なものを下記します。本当は全部やるのめんどくさいだけというのがバレバレですがこのままいきます。
・突先
大将である佐藤氏のとかみ時代からのスペシャリテ。鮪の頭の付根部分だそうです。強烈な先制パンチ。鮪の味が濃い。海苔の香ばしさも素晴らしい。
・白子
トラフグのもの。口に入れた噛んだ瞬間に極濃の液体。この冬数多の白子を頂きましたがNo.1です。日本酒ちょーだい。
・牡丹海老
まずデカい。そしてこれ以上無いぐらいネットリと甘い身。カセントの赤座海老の次に美味しい海老でした。
・〆鯖
これは〆るのには勿体ない程の鯖。鯖特有の強い旨味と脂が〆られた事により上手く中和されています。こういう古典的な調理も凄く上手だという印象受けました。
・墨烏賊
これもこれ以上無い程ネットリと甘い。新鮮なイカも良いですが熟成させてイカが好きなお年頃です。
・鮟肝
1番印象に残りました。なのに写真を失念。食感はふわふわで肝の柔らかい甘味が爆発的に口の中に広がります。軽やかなのに濃厚という矛盾した感覚。フランス人辺りに食べさせたら悶絶するんではなかろうか。めちゃくちゃ美味しかった。
・玉子
なにこれクリームブリュレじゃん。完全にデザートですね。どんだけ玉子使ってるんでしょうか、濃厚かつある意味暴力的なほどの甘さ。はっきりしていてとても好き。
実は入店して直ぐは喋り口のチャラさ、派手目な客層、メニュー構成の珍しさに斜に構えていましたが、食べ続ける程に仕事の細かさと純粋な美味しさに惹かれていきました。単純にシャリがまず美味しい。加えてネタへの包丁の入れ方もとても丁寧。職人の斎藤さんも初めは田舎のヤンキーかと思いましたが実はとても礼儀正しい兄ちゃんだと気付き好感が持てました。
正直言って好みが分かれる店だと思います。まず握りのみという構成。途中鮪の赤身から大トロまで連続で出てきたりとどこかインスタ映えや億り人、外国人向けの極度に分かりやすい構成は、伝統的な寿司屋を好む人は好まないかも知れません。
雰囲気は外国人や常連が多いからでしょうか、かなり砕けた雰囲気です。軽口をどう捉えるかでかなり印象は変わるでしょう。
そういった雰囲気、構成含め客単価3万超えの高級店の雰囲気では無いと感じる人も多いと思います。逆に言えばとてもモダンな寿司屋と言えます。
お店の方は全て理解した上でこの様な構成、接客をされていると思います。後は単に個々人の好き嫌い。合う人は合うし合わない人は合わない、それだけです。ただ味に関しては間違い無く美味しいし、接客もパフォーマンスの一貫であり、外国人には分かりやすい方がウケる。その証拠に日本人の私にはとても丁寧でした。
あくまで個人として言えば静かにゆっくりとつまみながら食べたいのでそういう観点では少し違いました。私にとって3万超えと言うのはかなり高価ですし、それ故に特別感が欲しい。厳かにとまでは言いませんが静かに落ち着いて食べたい。そういう意味ではこちらのお店は違います。ただ握りだけを蹂躙する様に食べたい、また気の置けない友人と寿司を食べるとなれば、こちらのお店は最適かなと。(このレベルの寿司を食べに行く友人はサラリーマンの私には中々居ませんが。)
その意味でもう一度行くかと言うと微妙です。確かに美味しいし唯一無二なスタイルだと思いますが、むしろ訪れた事で私は古典的な寿司屋もしくは割烹に近い様なお酒を中心に考えた寿司屋が好きなのだと感じました。逆説的ですが印象的である事は間違いありません。
とかなんとか言ってますが、美味しかったなー。鮟肝もう一度食べたいからやっぱりまた行こうかな。何を隠そう、朝令暮改は私の得意技です。
御馳走様でした。
はっこく
03-6280-6555
東京都中央区銀座6-7-6 ラペビル3階
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13217157/